5S活動変化への対応と5Sの基本

製造業とサービス業の現場で5S活動を指導した経験からの報告

5S改善!現場力と5S改善シート 

                                                                                                                                                                                                         

 
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多くの企業で長い期間に渡って5S活動に取り組んでいても、なかなか定着しないため苦労している方も少なくありません。また、一時的に5S活動が盛んであった企業もいつのまにか元の状態に戻ってしまったという話もよく聞く話です。「徹底して5S活動をやろう」という掛け声だけでは継続できるものではないことは、5S事務局や5S活動にたずさわっている多くの方がいやというほど経験しているのではないでしょうか。

多くの場合、先ず、職場を整理・整頓してきれいな職場にしようという美化運動から入るため、「ほぼ満足できるきれいな職場になった場合」又は逆に、「きれいな職場が長続きせず元の状態に戻ってしまい継続できなかった場合」など、いずれの場合でも次の段階へステップアップできず、定着しない場合が多くあります。それは、掃除をすることが目的となっていた場合に起こりやすい落とし穴です。
 
・異物混入防止などの具体的な目的がないため、自分の意志ではなく、指示に従ってイヤイヤやっている。あるいは、言われたところだけ、5Sチェックで指摘されたところだけやるようになります。

・このように5S活動をやっているといっても、トップを含め積極的に実施している企業から、言われた時だけしぶしぶ整理整頓する企業までかなりのギャップがあるようです。

 しかし、このような状態は5S活動の目的を明確にすることにより、下記に記載した「5S改善」により継続可能です。

 

※組織の現場力が低いうちは他からの支援が必要です。このような組織もギャップが大きいのですが、各部門の支援の責任を明確に決めたしくみをつくることにより積極的な活動ができます。これは、言われた時だけしぶしぶやる組織とは違います。

 

 

5S改善を進める現場力

現場力とは企業の現場における自律的問題解決能力と言われていますが、一言で表現するならば「現場で働く人の行動力」ということです。つまり、それぞれの販売店において問題を発見し、解決していく能力のある店舗ということができます。そして、現場力を高めるための具体的な三つの能力を食事サービスにあてはめてみますと次の三つになります。   

1.店舗で発生する様々な問題を自ら解決する力   

2.店舗の一部の人だけに任せるのではなく、全ての人が知恵を出し合って参加す協調性のある組織力   

3.現状に満足せず、高い目標を持って推進する力   

現場力とは自ら問題を解決する力ですから、問題が何かを理解することが必要です。問題を問題と気付かなければ改善は望めないからです。   

例えば、レストランのあるべき姿は、美味しく安全な食事を提供することであり、クレームのない楽しい食事を提供することです。これに近づくために具体的な行動を決めます。それが、衛生管理、異物混入防止やお客様応対ルールなどの標準類です。しかし、現場では、献立変更や注文の変更などいろいろな要因によって、これらの標準や規定どおり実施されていないという出来事が発生する場合があります。

このような標準や規定どおりに実施されなかったという現状とのギャップのことを問題としてはっきりと認識することが必要です。食事提供のミス防止のチェック方法や調理器具の置き場所の識別は店舗で決めたルールですし、手洗いや提供時間に合わせて調理するのは衛生管理です。これを順守できなかったら問題と捉え、再発しないように解決する力が現場力になります。   

現場力を向上させる最も基本となるのが「5S活動」です。5S活動を積極的に推進している店舗は、品質向上や衛生向上についても顕著な効果をだしているからです。美味しく安全な食事を提供するために5S活動をしっかりと取り組めば、物の整理整頓から作業の整理整頓へと進み現場力は向上します。経験の浅い職場や小さな職場においては、5S活動をやりなさいと言っても何をやってよいのか分からないという場合があります。そのような時は、それぞれの職場の現場力に応じて支援する必用があります。しかし、考えてみたいのは、どのような状態の時に支援すれば良いのかということです。考慮すべきことは人の能力や特性を考慮せずに判断することができないということです。


<非協力的な職場>
組織には非協力的な人が必ずいるものです。そのような組織の5S活動はどのように進めれば良いのでしょうか。

 

<予防整頓>

食材料は使用する材料をとった後が乱れる!

調理機器・器具は元に戻すときに乱れる!

 

5S改善

1.5S改善の目的

企業の狙いとする効果に結びつく目的でないと5S活動は長続きしません。例えば、食品会社のように清潔な環境が基本となる職場では次のような効果を期待するでしょう。また、業界で一番になる、誇れる職場づくりなどを目標に改善を進めることになります。

1) 衛生管理の徹底       → 衛生の5S
2) クレームの撲滅                    → 不良対策5S
3) 労働時間内の業務      → 人件費削減5S
4) 新商品の開発        → 開発5S
5) 原材料費の計画内の使用   → 材料費削減5S
6) ルールが守れる積極的な人材 → 人材育成5S

    

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 2.5S改善のテーマ

多くの場合、今までできていなかったことや、気にはなっていたが大ごとにはならないという理由で、今まで放置されていたようなことが対象になります。

 [職場環境の改善]

長い間、気にはなっていたが、大きな問題になることはないだろうと放置していたようなこと。例えば、部屋の角にたまっているチリやホコリなどがあります。

[慢性的に発生している問題]

慢性化したクレームなどです。例えば、異物混入の毛髪混入などが該当します。

[能率が上がらない]

無駄な時間などです。例えば、探し物をする時間、本来ならしなくても良いことなどに費やしている時間などがあります。

 

  

 

5S改善事例

5S改善の結果は、5S改善シートを使ってまとめます。改善前後の写真を載せ簡単な説明を添えましょう。改善シートのもう一つの目的は、時間とともに元の状態に戻るのを防ぐという大きな役割があります。

改善結果は「改善シート」を作成します。この改善シートは、改善前と改善後の写真をで比較し見える化するものです。これによって、改善内容を詳しく理解すると同時に、写真を残すことにより改善結果を忘れることのなく維持するためにも有効です。

 

事例 1.

[5S改善の目的]
キャビネットに置いてある検査表やチェックリストは種類が多く、探すというムダが発生しているので、1分以内に取り出せるようにする。

 

[現状把握]
キャビネットの棚の上に置いてあり、大まかな区分はしてあるがキャビネット の外からはどの棚に何が置いてあるか分からない。慣れてくるとどこにあるかを覚えてくるので今まで大きな問題になっていなかった。

 

[取り組み内容]
・整理  必要な書類と不要な書類を区分する

・整頓  関連性のある種類ごとに区分する

・清掃  使用頻度の少ない書類は一冊にまとめる

・清潔  使用頻度の多い書類は目的別に色分けしクリアケースに入れる

・しつけ ミーティングを行い、整理後の配置や書類の内容や使用方法を周知する

 

[効果]
① 従来13種類あった書類は11に減らすことができた

② 全てがキャビネットの、どこに、どの書類があるか一目で分かるようになった

③ 全員がどんな書類でも1分以内に見つけることができるようになった

 

[改善シートの記録]

改善結果は写真を撮って改善シートを作り、改善の前と後の比較ができるように見える化します。必要に応じて写真だけでなく説明を加えると同時に、何がどのように変わったのか説明を加えます。改善効果についても、金額や時間短縮など把握できる範囲で詳細に記載し継続的ない5S改善につなげます。

 

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 2.
[5S改善の目的]
工場で発生した返品や修理品は確実に仕入業者に渡し、引渡しの遅れや紛失をなくす。併せて、仕入業者との良好な関係を築く。

 

[現状把握]
材料倉庫の入口の棚には、返品や修理品がむぞうさに置いてあり、仕入業者の担当者が来ても該当する返品や修理品を渡し損なうことがあった。さらに、来社頻度の少ない業者には引渡しが遅れ、返品のタイミングを逸してしまうものまで発生していた。

 

[取り組み内容]
・整理  返品や修理が発生した時点で業者の担当者に電話連絡する
        不良在庫、滞留在庫を作らない
・整頓  業者ごとに専用の箱を作ってその中に入れる
・清掃  掃除の時に専用箱を確認し、忘れがないか確認する
・清潔  毎週返品や修理の発生状況を集計し確認する
・しつけ 業者が簡単に業者に渡るように手順を周知する
        
[効果]
返品や修理品をすばやく仕入業者に渡すことが出来るようになり、仕入業者とのコミュニケーションの増加により良好な関係が構築できた。

 

[改善シートの記録]

改善結果は写真を撮って改善シートを作り、改善の前と後の比較ができるように見える化します。必要に応じて写真だけでなく説明を加えると同時に、何がどのように変わったのか説明を加えます。改善効果についても、金額や時間短縮など把握できる範囲で詳細に記載し継続的ない5S改善につなげます。

 

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