5S活動変化への対応と5Sの基本

製造業とサービス業の現場で5S活動を指導した経験からの報告

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5Sとは?職場に最適な5S活動のしくみと取り組み方

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5S活動によって仕事の品質や生産性の向上を実現し企業体質を強化するためには、5Sの本来の意味を理解し目的を共有することが不可欠です。その上で、職場環境や人の価値観等の社会の変化に対応した進め方を工夫しましょう。 

 
 
 
更新: 2020/11/24

 

 

  1.  5S活動のいろいろ

多くの組織で実施されている5S活動は、「整理、整頓、清掃、清潔、しつけ」の5Sを基本に、「整理、整頓、清掃」の3S活動 や「整理、整頓、清掃、清潔、しつけ、洗浄、殺菌」の食品会社の7S、このほか、組織の方針によって、2S、4S、6Sや8Sなどが実施されています。このようなSシリーズの活動を宣言していない多くの企業でも、職場安全活動や明るい職場作りなど何らかの取り組みがなされています。

 

先ず、基本となっている5S、整理(Seiri)、整頓(Seiton)、清掃(Seisou)、清潔(Seiketsu)、躾(Sitsuke)を取り上げます。その定義は次のとおりですが、組織によっては自社の用語を使って、多少変えている組織もありますが基本的な考え方は同じです。

 

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 ① 整理(Seiri)
   要る物と要らない物を区別し、要らない物を処分する
 ② 整頓(Seiton)
   置き場所を決め、いつでも、だれでも使用できるようにする
 ③ 清掃(Seisou)
   ゴミや汚れのないきれいな状態を保つ
 ④ 清潔(Seiketsu)
   整理・整頓・清掃された状態を保ち、きれいな状態を保つ
 ⑤ 躾(Sitsuke)
   決められたルールを正しく守る習慣をつける

 この定義をよくみると、④は整理、整頓、清掃の3Sの維持であり、⑤は整理、整頓、清掃、清潔の4Sを実践するための規律として存在していますので、実質的に職場の環境を改善する行動は整理、整頓、清掃の3Sになります。このような理由から3S活動に力を入れている企業もあります。また、厚生労働省の飲食店の労働災害防止マニュアルでは、4S活動は職場の安全と作業者の健康を守り、作業効率アップの教育プログラムであるとの説明もあります。

一方、食品関連企業においてはいわゆる製造業の5Sでは食品会社の職場の環境を維持できません。その理由は、食品会社においては食中毒菌等の微生物レベルの清潔を維持することが大前提となっているからです。この微生物レベルの清潔については色々な考え方があります。これらの考え方の違いは、「清掃」と「清潔」をどのように定義するかで決まります。その一つは基本の5Sの「清掃」と「清潔」を次のように微生物レベルで定義する方法と、洗浄、殺菌を追加する方法の二通の考え方があります。

 

一つ目は、基本の5Sのままとすることです。
1) 整理、整頓、清掃、清潔、しつけ
  清掃:微生物の除去、化学物質汚染や異物混入防止、及び設備点検が含まれる
  清潔:調理機器、器具は洗浄・殺菌を行い、微生物学的にもきれいな状態にする

 

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2) 整理、整頓、清掃、しつけ → 清潔  
  清掃:ゴミや汚れのないきれいな状態を保つ、洗浄・殺菌を含む
  清潔:5Sが定着しており微生物学的にもきれいな状態を保つ、目的である

 

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3) 整理、整頓、清掃、修理・修繕、しつけ   →  清潔 
  清掃:ゴミや汚れのないきれいな状態を保つ、洗浄・殺菌を含む
  清潔:5Sが定着しており微生物学的にもきれいな状態を保つ、目的である
  6Sであるが5Sとして活動しているところもある。 

 

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二つ目は、基本の5Sに「洗浄」と「殺菌」を追加して7Sとすることです。
4) 整理、整頓、清掃、清潔、しつけ、洗浄、殺菌
  清掃:ゴミや汚れのないきれいな状態を保つ、設備点検が含まれる
  清潔:整理・整頓・清掃された状態を保ち衛生的な状態を保つ、目的である

 

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5) 整理、整頓、清掃、清潔、しつけ、洗浄、殺菌、整備  7S+整備
  清掃:ゴミや汚れのないきれいな状態を保つ
  清潔:整理・整頓・清掃された状態を保ち衛生的な状態を保つ、目的である

 

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このように色々な方法がありますが、企業の業種、業務形態、管理レベルなどの組織の実態に応じて最適な定義を設定する必要があります。5Sとは〇〇だと一律に定義づけることは困難です。自社にマッチした5Sを定義することが大事です。

しかし、5S活動を言葉の定義の理解だけで進めることは困難です。「 5S活動の進め方5S活動の実践ポイント」にどのように進めるのかについてまとめていますので参考にしてください。

 

 

  

 (一口メモ:食品5Sについて) 
・上記3)の7Sは、食品衛生ネットワークが2003年から提唱している活動です。

・洗浄とは、食品製造加工施設や設備・環境の食品残渣などの汚れ及び有害微生物を除去することです。
・殺菌とは、見た目のきれいさだけでなく、微生物汚染度を更に減少させ許容基準以下にすることです。

※ 食品5S活動の進め方は、「食品衛生の基本と5S活動」

 

 
(一口メモ:病院5Sについて)
病院における5Sは製造業で実施されてきた5S活動と同じように、仕事を安全に効率良く進めるために実施されるようになりました。特に、病院は人の命を預かっている職場であり、薬の投与間違いなどの医療事故や医療機器について5Sの考え方が取り入れられています。 

 ※ 病院5S活動の進め方は、「病院5S活動の進め方」

 

 

 

 2.  5S活動の構成要因

サービス業においても最近5S活動が盛んになっていきました。5S活動は職場環境の改善ですので職場によって異なるのは当然ですが、特に業種や業界によって職場環境に大きな違いがあります。
製造業から出発した5S活動は今や全産業分野で大きな広がりをみせていますが、活動が形骸化した、効果が出ない、活動が続かず元の状態に戻ったなどの話をよく聞きます。これらの原因のほとんどは5S活動を推進するうえで必要な、トップの理解、人、時間、場所、改善、リーダーシップ、チームワーク等に問題があるということになるのですが、最も大きな理由は、業種の違いや会社をとりまく内外の状況の変化ではないでしょうか。
5Sの定義や考え方は全産業において効果があり普遍的であると言われています。これは5Sとは何かという論理的な定義についてのことであり。手法や進め方などについて型にはめることは困難です。「ある企業で成功した5S活動も他の会社ではうまくいかない」「三年前まではうまく機能していたが、最近同じことをやっても効果がでない」というような変化があるのは当然のことです。製造業からサービス業界に入り5S活動を推進するにあたって以下に列挙した事柄を考慮し、変化に対応した進め方を自ら工夫して進めていく必要があります。これはサービス業だけでなく業種を超えて5S活動を進める時の注意点であるとも言えます。

 

[品質のレベル]
車や電気製品の製造工場のように5S活動が徹底的になされ世界的にも品質が認められた企業では、徹底的に5S活動や5Sという言葉を使わなくても職場環境の改善活動を実施しています。このことは、食品業界や病院においても同じことで要求品質を確保するためには5S活動は欠かせません。5S活動ができている企業はその製品品質もすばらしいものです。

[安全への関心]
最近、マンションの建設現場に安全第一と一緒に「5S活動推進しています」という看板が貼り出されていました。危険と隣り合わせの職場では徹底した5S活動がなされています。一方、外食産業では食品安全が重要なウェイトを示しますが調理の過程で床にこぼれた油のために転倒するというような労働安全もあります。

[教育・訓練の必要性]
社員には、正社員、契約社員、パート社員などの異なる勤務形態の人々が働いています。特に、厨房においては多くのパート社員が勤務しています。これらの異なる勤務形態の人々が同じく5S活動に対する共通認識を持つことができるとよいのですが、多くの場合はそうではありません。また、人間は間違いをおかすものですが、業務における間違いがどの程度許されるかは、その作業の重要性や安全性により変わってきます。
工業製品の製造の場合は人と話をするのが苦手な人でも手順書どおりに作業をすれば問題ありませんが、サービス業の場合は多くの場合、人が相手ですので笑顔で話ができない人は、相手を喜ばすサービス業においては良い仕事ができません。このように個人の性格など人間的側面が重要視されます。

[作業場所の特殊な環境]
食品関係の「清潔な厨房」や「病院の無菌室」、半導体製造工場の「クリーンルーム」など、要求品質を作り込むためには特別な職場環境が必要な場合があります。特に、外食産業では微生物レベルの清潔な環境、異物混入のない環境が必要です。

[設備機器の活用]
工業製品に限らずサービス業においても設備器具の不具合により、問題が発生することが少なくありません。設備の自動化の程度もまた影響を与えます。古い機械を丁寧に使っている工場と、最新の設備とでは環境が異なります。

[職場の管理レベル]
現場における目標管理、啓発活動、改善活動、不良対策、作業手順書の作成など実施レベルに影響を受けます。5S活動は現場で運用されている管理システムに沿って運用されます。そうでないと、5Sのために特別なことを押し付けられてしぶしぶやるということになりかねません。例えば複数の工場が存在している企業においては、各工場の管理のレベルにあわせて運用手順を決めなくてはなりませんが、A工場では5S監査員がいて自社で5S監査できるが、B工場では監査のできる人材がいないので、A工場から応援にきてもらって5S監査を実施しているということもあります。

[企業の5S目的]
トップに叱られた時だけしぶしぶやる5S、建前だけは5Sをやっている会社など様々ですが、過去において、厳しい苦難を経験したオーナーがいる会社は本気で5S活動がなされています。

[業種]
自動車や電気製品など古くから5S活動が盛んな自動車業界や電機業界から、建設現場や化学工場、更に、人の命をあずかる医療業界や食品メーカーなどでも5S活動が行われています。しかし、これらの多くの業界の中でも5S活動のレベルには差があります。中でも、サービス業の労働生産性は製造業より低く、特に労働集約型のサービス業においては1人当りの生産性が低くなり、利益がでにくい、したがって人件費も抑えられることにより、社員のモチベーションが上がらないなどの課題があり、人が主役の5S活動にも影響を与えています。

 
[組織の大きさ]
一般的には大企業と中小企業とでは売上金額、社員数などに大きな差があります。その結果、5S活動を担う社員数や活動テーマ数など運用の規模が異なってきます。特に、一人でいくつもの業務をこなさなくてはならない中小企業においては、5S活動を担う組織や担当者が曖昧になり積極的な活動がなされない傾向にあります。

[全員参加]
自動車や電気製品など製造工場を有する職場では、全員参加の委員会やミーティングなどが容易である組織もあれば、運送業など絶えず外で走り回っていて、全員が集まるのは年に1回という組織もあります。

特に人手不足である食品業界はパート社員によって支えられており、その割合は50%以上というとこらが殆どではないでしょうか。このような状況下では就業後にミーティングの時間を設けることは困難です。

一方、パート社員比率の少ない組織においては、正社員が中心になって5S活動を進めることが可能です。また、通常パート社員は時給いくらでという条件で毎月契約更新しています。

このような条件で働いていると会社への帰属意識は低いものになり、内部のコミュニケーション能力に影響を与えます。 以上より、パート社員比率の高い職場では、時間内にミーティングを開く必要が出てきます。あるいは、時間の確保がパート社員より比較的容易な正社員が、ミーティングの準備や資料を作るなどの検討も必要です。

 

 

3.5S活動のメリット・デメリット

5S活動は「職場環境を改善」する活動ですので大きなメリットがありますが、デメリットもあることを理解しましょう。

 

1)メリットとしては次のようなことがあげられます。

  • 業務効率の向上
    ①モノを探す時間がなくなり、ムダを省くことにより業務効率が向上する。
    ②原材料や部品、商品の管理が確実になり品質向上につながる。
  • 社員の意識改善
    ①働きやすい環境を整えることにより、社員の意識改善につながる。
    ②5S活動によりチームワークが向上する。
  • 職場環境改善
    ①職場内が整備され、労働災害の起こらない安全な職場をつくる

 

2)デメリットとしては次のような点があげられます。

  • 効果が出るまでには時間がかかり、中には年単位の時間を要する場合がある。
  • 職場に定着させるためには、活動を続ける必要がある。

  

このブログではこれらのデメリットを克服して、メリットを得る方法について話を進めていきます。

 

 



 

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4.5S活動の目的についてのお話し

先日、食品関連会社勤務の知人と話をする機会がありましたので、5S活動がうまくいっているか聞いてみたところ、「5S活動をやることを目的してやって問題ないだろう、だって、やればムダがなくなるなどの効果がついてくるのだから」という趣旨の返事を聞き、以前、5Sの目的について議論したことを思い出しました。

今回は食品会社ですが、従来の5Sの「清掃」の中に洗浄を、「清潔」の中に殺菌を含めた5Sの定義で活動しており、最終的な目的は微生物レベルの清潔になります。つまり、清潔に関連する事柄を5S活動の目的と決めなくても、5Sをやっておれば結果として清潔になるから良いという論理です。

最近5S活動の効果に疑問を投げかける人がいます。その理由は、5S活動にかける時間に対する効果が少ないということ、更には、行き過ぎた5S活動により、かえって不便になっているのではないかということです。5Sを徹底するために業務効率を低下させていたのでは本末転倒ということです。しかし、なぜこのようなことになってしまうのでしょうか。その主な原因は、全員参加という5S活動の基本ができていないためです。
例えば、「帰る時には机の上にはモノを置かない。」と決めたとします。その結果、ある人から、かえって能率低下になるとクレームがあるようなケースです。なぜでしょうか?これは、5S活動そのものが目的となっているためであり、なぜ帰る時には机の上にはモノを置いたらいけないのかについて話し合っていないからです。皆が思い思いの意見を言いまとまらない?そんな状況では、後日問題となるのは明らかです。

 

 

5.5S活動とは徹底すること

5S活動とは5Sを徹底することだとよく言われますが、どういうことか具体的にいうと「5Sの定義を徹底して実行すること」と言い換えることができるでしょう。例えば、整理では、「必要なものと不要なものを区別して不要なものを処分する」これを徹底することです。しかし、徹底という言葉はあいまいで人によってその認識に差がありますが5S活動の徹底は次のような行動を実践することであると言えます。職場環境のバランスをとりながら進める配慮が必要です。

整理
整理における徹底とは、不要なものはすべて廃棄し、不要品が発生しなくなるまで繰り返し改善する。 

整頓
整頓における徹底とは、例えば、仕事がすぐに始められるように置き場所や置き方、 表示の見える化を工夫し、必要な時に必要なものが直ちに使用できるように改善する。

清掃
清掃における徹底とは、仕事場を清掃・点検し、汚れた箇所や点検で発見した問題の原因を明らかにして改善する

清潔
清潔における徹底とは、整理・整頓・清掃を継続して、ムリ、ムラ、ムダのない職場を維持するために絶えず改善する。

しつけ
しつけにおける徹底とは、仕事に関するルールを理解させ、ルールを守れる人材を育成する。

 

もう一つ重要なことは、5Sは、整理→整頓→清掃というようにシリーズではなく、すべてが相互につながっているということです。このつながりをスムーズに動かす潤滑剤の役割をなすのが「しつけ」であるということです。「しつけ」は決められたルールを正しく守る習慣をつけると定義されており、以前は、他の整理、整頓、清掃、清潔のルールを守ることだとされていましたが、近年は業務に関連するすべてのルールと理解されています。これには、整頓や清掃手順だけでなく、職場ルールや製品規格、作業標準書などすべてが含まれます。

人を育てるという考えであった5Sの「しつけ」は、ISOの教育に対する考え方や派遣社員外国人労働者への対応に見られるような人手不足の時代になり益々重要視され、「しつけ」を5Sの基本に据える考え方へ変わってきました。

さらに、5Sの定義にあるように5Sの手法そのものが改善ですので、改善前後の職場環境がどのように変わったかに関する改善結果の確認が必要です。

 

仕事の瞬間、瞬間で5Sを実践

私は最初に工業製品の5Sを進めましたが、サービス業の分野においては上記の「環境」の清潔、「教育・訓練」におけるヒューマンエラー、「全員参加」のミーティングの実施において、大きな違いがあることが分かり進め方を変えました。
先ず実施したのが5S活動の時間の確保です。5S活動は単に職場をきれいにするだけでなく、仕事の中で5Sを実践することにより次のように、作業がスムーズ実行され業務改善にもつながります。作業を実施しているその場所、その瞬間に5Sを実践します。
1.作業の見える化
仕事のその瞬間、瞬間で必要なものと不要なものを仕分けることにより、何が終わって何が終わっていないか「見える化」されます。
2.作業効率アップ
先入先出はもちろん、作業の順番や使用頻度に基づく食材や器具の配置で作業がスムーズに流れ、作業ミスも減少します。
3.職場の環境をよくする
5S活動により職場内のコミュニケーションが良くなり、みんなから改善のための知恵が出てきます。

 

5Sの「整理整頓」について

整理整頓は、きれいに並べ直したり積み直したりする整列や、見た目にきれいに並べる陳列とは異なるものです。
今まで作業台の上にあった物を作業台の下に置くと、作業台の上はすっきりときれいになり気持ちいいでしょう。しかし、使用するたびに作業台の下から引っ張り出さなくてはならなくなり、効率は下がってしまいます。これは5Sとは言えません。5Sの整理整頓とは、実行することで「探すムダ」や「見分ける手間」が省かれて作業に専念できることなのです。

 

5Sの「しつけ」について

5Sの中でも特に大事なのが「しつけ」であり、その定義にはこれだという決まったものはありませんが、一般に次のような説明が含まれています。

  1. 決められたルールや規律を守ること(3Sの定着、習慣化)
  2. 決められたルールに従って行動している状態(定着、風土)
3Sが定着し、決められたことを守れる風土になっている状態(1,2を合わせたもの)

  

さて、「しつけ」とは「決められたルールを正しく守る習慣をつけること」と定義されています。

5Sを実践するための潤滑剤である「決められたルール」とは?

決められたルールには、次のようなものが該当しますので、これより「しつけ」は社会生活の上での土台であるということが良く理解できます。


1.5Sのルール
  職場で5S(整理、整頓、清掃、清潔、躾)について決めたこと
2.会社のルール
  就業規則、業務管理基準、標準作業など
3.社会のルール
  ・交通規則などの法令、業界団体の規則などの法令等
  ・一般常識といわれる挨拶など

 

「正しく守る」とは?

「しつけ」は教育・訓練と言われています。「親の子に対するしつけ」、「学校でのしつけ」などを思いだす人も多いでしょう。しかし、仕事においては子供のしつけと違い簡単ではありません。先ず、正しく守るためには、ルールを正しく理解する必要があります。

 

「習慣をつける」とは?

教育・訓練を受け正しく理解したら、必ずルールを守ることができわけではありません。ルールを守るためには「納得」が必要です。納得とは、守らないとどうなるかということを、そのとおりだと認めることです。ルールを教育・理解・納得することが必要ということです。では、人は納得すれば習慣になるのでしょうか。これについては、Webの5Sの関連記事で事例を見つけましたのでそれを紹介します。 

[ 納得すれば本当に習慣づくのでしょうか ] 抜粋
例えば、車のシートベルトは殆どの人が毎回きちんと締めます。交通ルールを守っているのです。しかし、スピード違反を一度もしたことがない人はゼロに近いのではないでしょうか。捕まる、捕まらないは別として、時速30km制限の道路で、制限速度を守って走っている人は少ないと思われます。なぜシートベルトは守って、スピードは守らないか。それは、シートベルトをした方が安全というのは納得しているからです。しかし、時速30km以下で走らないと安全ではない、というのはあまり納得していないのです。人間、本来納得すれば実行するようになるのです。

  

 

6.5S活動を続ける秘訣

5S活動を開始するに当たっては決起集会をやって・・・など、コンサルタントの記事をよく見ます。以前、知り合いのコンサルタントに話を聞いたことがあります。5Sを開始した最初の一年間ほどは活動も活発に行われ成果が上がり、社長も満足されるが、2~3年経過して久しぶりに社長に会い、その後のようすを伺うと、最初の一年間は活発であったが、今は熱が冷めたように5S活動を開始する前の状態に戻ってしまったと嘆いておられたという話を聞きましたが、このような組織も少なくないようです。一時的なコンサルではなく後々まで続けられるように、コンサル後の道筋をしっかりと付けることの重要性を示す良い事例でした。

5S活動の実施事項を決めるのはだれでしょうか、よく個々の要望を聞いていたのでは進まないという話を聞きますが、現実を無視した、いや現実に配慮せずに進めること事態に問題があります。5S活動を始めるにしても、コンサルタントを呼んでキックオフ大会を開いて進めたほうがうまくいく企業もあれば、じっくり進めた方がよい組織もあります。患者の治療も、手術が必要な患者もいれば、漢方が良い患者など様々です。重要なことは、その患者のことを良く知り、適切な治療法を見つけ実施することです。

冒頭にも書きましたように、5Sという言葉が使われてから既に半世紀が経過しました。その間の社会の変化、とりわけ5S活動の対象とする職場環境がどれほど変化したかは言うまでもないことです。更に、人間の意識も大きく変化して、学校教育や社会制度も変化しています。5S活動もこれらの社会の変化に対応した進め方をしなくては、人々は5S活動の目指す成果を得ることはできません。そうなると5S活動を継続することも不可能です。したがって、5Sという言葉は普遍的であるといわれていますが、活動の進め方まで変化に対応していないのであれば、それは非常に問題を大きくします。立ち止まって考えてみましょう。

 

 

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5S活動の目的を理解していますか?

「どのような成果が得られるのか」ということを自覚していないと、5S活動そのものが目的になってしまいます。

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全員の役割を決め、関係する人の意見を聞いていますか?

自分が何らかの役割を分担するということは、主体者意識を持つことになるからね。

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5S活動で対象とするエリアを明確に決めていますか?

5S活動を実施するエリアを特定していないと、漠然としてうやむやになって進めることになってしまうからね。

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5Sの指導者の部屋やその机の上はきれいで手本になっていますか?

現場の人から「自分はできていないのにやれというのか」という反発の声があがる可能性があります。

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ところで、5S活動は順調に進んでいますか?

5S活動の目的や成果を共有することによって、5S改善活動を進めています。

帰る時に机の上にモノを置かないというのは、机の上に置いてあるのは何か、机の上のモノの置き場所が他にあるのか、机の周りは整理されているのかなど、ルールを決める前に十分に調べ実施の可能性を見極めることが重要です。単に仕事の連続性の問題だけでなく、業種や組織のおかれている環境によって色々な方法があるということです。

 

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食品衛生の基本と5Sの徹底

                                                                                                                                                                                        

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食品関連会社の「清潔」は製造業を中心とした3Sの維持ではなく、整理・整頓・清掃・洗浄・殺菌・しつけの維持によって微生物レベルのきれい職場環境を実現することです。

 

更新: 2020/11/24

 

 

 

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1.食品業界の特徴

食品業界で先ず思いつくのは、菓子などの加工食品やレストランなどの外食産業ではないでしょうか。中でも外食産業の調理は以前から経験と勘が重要視され職人気質が受け継がれてきましたが、日本食ブームに支えられて食事サービスの普及した現代においては、誰が、いつ、どこで、どのように作っても同じ出来映えが要求されるようになりました。ここでは、食品業界の中でも5S活動の普及が遅れている外食産業について述べます。
 
 
食品業界は食品原料を調達する商社の後は、食品メーカーから食品小売店を通って消費者の手に渡るものと、商社の後、外食産業の店舗で調理され消費者に渡るものがあります。いずれの場合も工業製品とは異なる食品の特性をしっかりと理解したうえで、食品の品質をいかに向上させるかが課題となります。その食品の特性というのが次の5項目です。  
 
   1)人が中心とした労働集約型産業であるので人的側面に左右されやすい
 2)人の行為やパフォーマンスであるサービスの結果を数値化するのが困難
 3)人の食生活のサイクルに基づいているため時間の要素が大きい
 4)食材料は自然のめぐみに依存しているためバラツキが大きい
 5)食中毒を起こさない微生物レベルの衛生管理が最重要課題
 
これらの5項目については、「5S活動とは?業界や組織の目的にあった5Sの構図と進め方」の”サービス業の5S活動”にも記載していますが、簡単に説明すると次のようなことがいえます。

 

 

1) 人的側面により左右されやすい

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サービスの品質は、工業製品の品質と違って、人の心のあり方によって顧客に心のこもった誠実さ、安心さを与えることにあります。工業製品では顔色が悪くても作業手順書にしたがって決められたことを確実にこなせば問題は発生しませんが、食事サービスでは、お客様に気持ち良く食事をしていただく必要がありますので、元気な笑顔であいさつする必要があります。一方、厨房には人に頼った作業が多く調理器具としては、ガスレンジ、炊飯器、スチームコンベクションなどがありますが、最終的な品質確認は人の五感によるものが多いためヒューマンエラーが発生しやすい。

 

 

2)サービスの数値化が困難

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 先に示した食事サービスの品質は、「美味しさ」とか「楽しさ」などのように人の感性に基づく品質項目が多いため数値で示すことが難しい。サービスは物理量の長さや重さなどのように数値で表すことが困難なため、官能検査によるランク付けなどを使って評価する場合が多い。

 

 

3)時間の要素が大きい

 

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病院や介護施設などの食事サービスにおいては、決まった時間に食事を提供しなくてはなりません。お昼の食事は、12時に食べるのが一般的ですが、これを2時、3時に遅らせることは食事サービスとしての目的を達成できません。また、レストラン等の外食においても食事の時間帯になると大変混雑しますが、このような状況下でも気持ちよくおもてなしを行なうサービスは一瞬一瞬が重要であり、その良し悪しがその場で評価されることが多い。

 

 

4)自然からの産物である食材のバラツキが大きい

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調理材料は殆どが自然界の産物を利用しています。しかし、自然界の産物は天候に左右されるために、工業製品のように一定の条件の下で均一の品質を確保することが困難です。野菜や魚、肉にしても季節によって、バラツキが大きく、一つひとつの品質が異なります。

 

 

5)食中毒を起こさない微生物制御が最重要課題

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食事サービスにおいて最も重要なことは、土台となる衛生管理がしっかりとできていることです。栄養のある献立も美味しい食事も衛生的で安全な食事でなくては食事サービスの目的を達成できません。食事サービスは衛生管理が土台となるものであり、良好な衛生管理を維持するためには5Sの徹底が不可欠です。

 

   

  

2.人材確保の困難な時代の5S改善

平成30年厚生労働省から発表された「外食・中食産業における働き方の現状と課題について」では、次のような課題があることが提示されています。
外食産業においては、次のような課題が5S活動推進の壁になっています。これが食品の5S活動が工業製品の製造業と同じ手法で推進するのが困難であった理由の一つに挙げられます。従って、5Sは個別の職場環境を十分調査し適切な推進方法によって進めるべきです。

 

1)深夜・24時間営業・年中無休への対応

価格競争が厳しい業界であるため、処遇改善に必要な人材や賃金の確保が十分でない中で、利便性の追求による深夜・24時間の営業形態が拡大した結果、昨今の人手不足により安定した勤務シフトが組みづらい状況になっており、社会問題となりさかんに議論がなされています。

 

2)労働環境の改善 

  • 生鮮食品を取り扱うことから作業空間が低温状態(約15℃)の場合がある
  • 逆に、揚げ物・蒸し物等を調理する空間では、高温にさらされ続ける。
  • 作業工程によっては、同じ姿勢での単調作業が長時間継続する。
  • 人手を要する作業が多く、機械化が容易に進まないため、置かれた作業環境は過酷である。

 

3)経営理念の共有やモチベーションの維持・向上

業界全体として、従業員に向けた企業の経営理念の浸透が不十分。従業員の労働意欲や職業意識に影響し、労働生産性企業価値に悪影響を及ぼす可能性。

 

4)投資余力が小さい

  • 中小企業が多いため、資金力に乏しく、生産性向上に向けた投資をタイムリーに行うことが困難。
  • 人材の層が薄く、柔軟な雇用形態を導入するための仕事量の調整・再分配等が困難。人材不足が廃業に直結する可能性が高い。

 

上記のような報告がある中で働く人を確保するには、5S活動によって醸成される「モチベーションの向上と楽しい職場・働きやすい職場づくり」が、人材の定着・人材の確保に役立つことは言うまでもありません。

 

  

 食品衛生に関すること

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食品業界の大きな出来事として「食品衛生法」が2018年6月に改正され、2021年6月に猶予期間が終了し本格施行されます。この改正の主な理由は次のとおりです。

少子高齢化が進み家族構成や消費者の食に対する意識の変化による食生活の変化

・食中毒や食品による健康被害に対する意識の向上

・食のグローバル化に伴う、食品関連事業の国際標準からの遅れ

改正の一つにHACCP(ハサップ)の義務化があります。注目すべきことは、この改正の施行にあたって、食品業者の規模や業種などによって、次の二種類に分けて進められていることです。この考え方は5S活動の進め方に対しても、変える必要があることを示唆しています。

 

①「HACCPに基づく衛生管理」・・HACCPの7原則を要件として衛生管理を行う。

  例)食品や食品添加物の製造し、従業員が50名以上の事業所


②「HACCPの考えを取り入れた衛生管理」・・厚生労働省が内容を確認した手順書に沿って衛生管理を行う。

  例)飲食店、学校や病院などの給食施設など

 

つまり、ここで注意したいのは、業界の幅が広く、一つの方法ではすべての事業所で対応することができないと言うことです。つまり、5S活動の進め方も対象の企業の実態を良く調査したうえで、適切な手段・方法を使って推進しなくては良い結果は期待できないということです。

 

 

 

3.食品5Sの職場環境改善

清潔というと業種や考え方によって異なっています。いわゆる工業5Sでは、整理、整頓、清掃の3Sの維持ですが、食品業界が微生物レベルの清潔を目的としている点で違いがあります。また、食品業界の中でも5Sの定義は一定ではありませんが、微生物学的にもきれいな状態を保つという点では清潔に対する考え方は変わりません。工業5Sでも食品業界の5Sでも、5Sを定着させるということが前提です。

 

1)工業5Sの清潔

工業5Sの清潔は、「整理・整頓・清掃を維持し、誰が見てもきれいでわかりやすい状態に保つこと」です。この点が、次の食品5S,食品7Sの清潔と違います。

 

 

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2)食品5Sの清潔  2つの考え方

  • 食品5Sの清潔:調理機器、器具は洗浄・殺菌を行い、微生物学的にもきれいな状態にする。洗浄・殺菌は清掃の中に包含されています。

 

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  • 食品5Sの清潔:5Sが定着しており微生物学的にもきれいな状態を保つ、目的である。洗浄・殺菌は清掃の中に包含されており、清潔は直接的な「目的」です。

 

 

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3)食品7Sの清潔

基本の5Sに「洗浄」と「殺菌」を加えて7Sにして分かりやすくしたものです。
整理・整頓・清掃・洗浄・殺菌に関するマニュアルやルールを守ることを躾でコント ロールし、清潔を「直接的な目的」としていることを示しています。

 

 

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5S活動とは?5Sの本来の目的と効果

                                                                                                                                                                                           

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5S活動によって仕事の品質や生産性の向上を実現し企業体質を強化するためには、5Sの真髄ともいうべき本来の意味や進め方のノウハウの理解が不可欠です。
  
 
 
 
更新: 2020/11/22

 

 

1.5Sの歴史から学ぶ

整理整頓から出発した職場環境の改善は、1965年頃には4Sに「しつけ」を加えて5Sというようになり、その後、5Sという言葉が一般的に使われるようになったと言われています。
しかし、現在のように、5Sという言葉が半世紀をすぎても多くの職場で使われ、5S活動が普及している背景には、次のような出来事があったようです。
それは、製造工場における品質向上や生産性の向上のために、開発部門では新製品を投入、技術部門では工程改善などに全社をあげて取り組んでもなかなか効果がでなかったのです。多くの企業が改善活動をやっても品質は良くならない、生産性が向上しないという経験をしました。そこで原因を調査した結果、
 

①工場の備品や工具などが決められたところにないため、探すのにムダな時間がかかっている。・・・整頓ができていない。

 

②清掃が不十分できれいにできていなかったために、製品に異物が混入していた。・・・清掃ができていない。

 

体質強化など、5Sに関連する基本的な問題が多く寄せられたようです。このような経験から、品質や生産性の向上をはかっていくには、「当たり前のこと、基本的なことをきちっとやっていかなければならない」ということが再認識されました。


この、当たり前のこと、基本的なことをきちっとやっていかなければならないということは、製造業だけでなくすべての組織に必要なことです。このことが、今日、多くの企業で5S活動が実施されている理由であると考えられます。
つまり、整理、整頓、清掃、清潔、躾の徹底で職場環境を改善する5S活動により、「業務効率の向上」「職場の安全」「快適な職場環境」を通して「体質強化」「業績向上」にもつながる活動だからです。

 

 

2.5Sで何を得ようとしているのですか?

5Sに取り組むことによって、「どのような会社や職場にしようとしているのか」を明確にすることによって進め方も違います。5S活動とは何をするのですかというと、次のように回答される方が多いのではないでしょうか。
5Sとは、整理(Seiri)、整頓(Seiton)、清掃(Seisou)、清潔(Seiketsu)、躾(Shitsuke)の5つの管理活動の頭文字をとった標語・スローガンです。日本の工場、店舗やオフィスでは常識となっており、よく知られており仕事を行う際の心得とも言えます。

【整理】必要なもの不必要なものに区別し、不必要なものを処分する   
【整頓】置き場所を決め、いつでも、誰でも使えるようにする
【清掃】定期的に清掃を実施し、ゴミ・汚れを取り除き、点検し、きれいな状態を保つ
【清潔】整理・整頓・清掃を維持し、誰が見てもきれいでわかりやすい状態に保つ
【しつけ】決められたルールを正しく守る習慣をつける 
 

 しかし、5S活動とはこの言葉の意味を理解するだけでは不十分です。以下の5S活動の特性を理解し、自社にあった取り組みをしましょう。

 


3.職場環境の違いと目的

5Sは職場環境の改善ですが、その職場は業界や業種によって違います。例えば、工業製品の組み立て工場と病院や外食産業の職場環境は異なります。また、下図のように工業製品でも特殊な環境を必要とする半導体工場のクリールームのように特殊な職場固有の環境を必要とする職場もあります。

 

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食事サービスの厨房においても同じように特殊な職場環境と言えます。5S活動においては、食中毒菌等の微生物レベルの清潔を維持することが大前提です。このように職場環境が「清潔であること」であるため、整理、整頓、清掃をしっかりやっていれば目指す清潔に近づくと思われているということから、「掃除5S」で終わってしまい改善を伴わない職場環境の5Sに停滞しやすい傾向があります。 

多くの場合、時間が経過し5S活動への関心が薄れてしまうと、いつの間にか図のピラミッドに赤い線のような隙間が発生します。この隙間が大きくなると、基礎となる5Sの活動エネルギーが改善に伝わらず、いつまでたっても現状のままで、改善効果が出ないという状態が続きます。

しかし、同じ目的を持って集まっている人々の職場においては、「楽しい職場」「お客様に喜んで頂ける雰囲気」を自分たちで作り、仕事への貢献したいと気持ちが高まってきます。このような意識の変化が5Sに対する自発的行動につながります。

 

 

4.不可欠な行動

自発的行動

5S活動は自ら進んでやる気持ちがとても大事です。自分の周りの小さなことから、自発的に5S活動をすることにより、5S改善のアイデアを得ることができます。
例えば、自ら進んで掃除をすることにより、作業台の汚れや床のゴミが気になるようになります。そして、だんだん汚さない、散らかさないための、発生源対策を工夫するようになります。これが5S改善であり、何をしたら良いか分からない時の、取り組みの一つでもあります。

 

 

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全員参加

5S活動で扱うテーマは仕事の現場の小改善です。5S活動はその小さな改善を全員で実行し、大きな成果を得ようという活動です。ですから、5Sリーダーのみが活動していて、他の社員は意識が薄い。という状況では効果はでません。そこで、全員に参加してもらう仕組みが必要になります。
5Sチームのような現場のチームのメンバー数は、5名~9名の時が、もっともチーム力が発揮されると言われています。 
組織の規模に応じて、A工程、B工程、C工程などで、5名~9名のチームができる組織は複数のチームを作って、リーダーを中心に全員が5S活動に積極的に参加できるようにしましょう。そして各チームが一致団結して総合力を発揮してください。
このようにチームを作って活動できれば良いのですが、中には全員集まるということがなかなかできない職業もあります。型にはめることなく、時代の変化に対応できるように柔軟に考えることが大事です。次は具体的な全員参加のモデルですので参考にして、組織の全員が参加し傍観者は一人もでないように全員参加で取り組みましょう。
 一般社員は、現場で直接「整理」「整頓」「清掃」を自ら進んで実行します。5Sリーダーは、現場の人が5Sがやりやすくなるように率先して実行します。管理者は、私は課長だから、部長だからといって例外をつくらず、ある担当範囲を受け持って実行しましょう。管理者のもっとも重要な役割は「しつけ」です。決められたこと、ルールをしっかりと守るように指導する役です。経営者は、「やるぞ!」と先頭に立って積極的に続けることが重要です。経営者や管理者は、最初だけは積極的に進めていたが途中から部下に任せて関わりををなくしているというケースが少なくないようです。こうなると5S活動の本来の目的も達成できません。
 

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5.効果がでる5S活動

5S活動の効果は徹底しないと出てきません。徹底する方法の一つは、改善テーマを絞り込み、目標を設定することです。改善テーマがいっぱいあっては徹底することはできませんので、その中から、最初は効果が小さくても、すぐできることから、テーマを絞り込み、実現できる目標を設定しましょう。

二つ目は、徹底するための時間を見つけることです。5S活動には時間が必要ですが、全員が一箇所に集まり、時間をかけてミーティングすることだけが5S活動ではありません。 忙しい時でも、合間をみつけて5S活動をしましょう。それに加えて、最低でも週に1回は、定期的なミーティングなどを行いコミュニケーションを維持することが継続につながります。

 

 

5S活動のメカニズム(食品関連の例)

中央のピラミッドは5S活動の概念を表しています。5S活動は「職場環境の5S」と「5S改善」から成り立っています。矢印は5S活動の活発さ、取り組みの強さを表しています。
 

  

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5S活動の初期の段階(白矢印)では、全員参加で自発的に、整理、整頓、清掃、清潔、躾の5Sが実施され、「整理されたきれいな職場」になったという効果により、職場環境の5Sのサイクルが回ります。
次の段階(黄色の矢印)では、5S改善のテーマを絞り込み、徹底することにより「清潔な環境の維持」「異物混入の削減」「クレームやムダをなくす」という5S改善の効果が出ます。そしてこれらの効果やメリットを実感することにより、5S改善のサイクルが回ります。
この図は、5S活動には「職場環境の5S」と「5S改善」の二つの重要な流れがあることを表しています。

ところが、“全員参加で自発的に”という取り組みが弱く、黄色の矢印まで届かないと、5S改善が積極的になされないため改善効果が出ません。
そうなると、5S活動への関心が薄れ、ピラミッドにこのような隙間が発生します。 この隙間が大きくなると、基礎となる5Sのエネルギーが改善に伝わらず、いつまでたっても現状のままで、改善効果が出ないという状態が続きます。

このように、5S活動は“全員参加で自発的に”という行動が出発点であり、重要実施ポイントを実行することにより、5S活動の効果が出てくることを理解して積極的に取り組みましょう。

 

humanerror.hatenadiary.com

 

 

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5S活動の進め方5S活動の実践ポイント

                                                                                                                                                                                                                                           

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職場によって5Sの目標は異なりますが、最終的な目的である企業体質の強化に向けて、どのような手段で、どのルートを通って進むかという「5S活動の進め方」と、職場での5Sをどのような方法で進めるかという「5S活動の実践ポイント」に分けてみましょう。

  

更新: 2020/11/21

 

 

1.5S活動の進め方

5S活動の進め方について、最初に5Sの枠組みについて区分すると次のようになります。5Sを整理・整頓の2Sから実施するという企業から7Sや8Sなど様々の取り組みがなされています。どの進め方が良いかという優劣をつけることは困難です。大事なことは自社にあった、或いは個別の職場にあった最良の仕組みを構築することです。
 

1)2S活動
「整理・整頓」の2Sによってきれいにしていこうという職場で実施されます。
・・・スポーツクラブなどの小規模組織や特定の範囲で集中的に実施される場合が多い

 

2)3S活動
「整理・整頓・清掃」の3Sによって職場をきれいにしていく活動です。
・・・安全・効率・快適な職場を目指す中小企業が多い

 

3)3S+2S=5S活動

「整理・整頓・清掃・清潔・躾」の5Sを、現場で実施する「整理・整頓・清掃」の3Sと、管理監督者が中心となって実施する「清潔・躾」の2Sに分けて推進する。
・・・整理、整頓、清掃を基本とした活動が有効な組み立て製造業などが多い

 

4)整理・整頓・清掃・清潔・躾の5S活動

5つのSを使って進めていくものです。比較的大きな組織や、清潔に特別な意味を込めて定義している場合があります。

・・・推進できる仕組みを構築できる組織で主に製造業や病院、清潔を目的とする食品関連会社など

   

5)整理・整頓・清掃・清潔・躾+洗浄・殺菌の7S活動

・・・清潔の定義が整理・整頓・清掃の維持ではなく、微生物レベルのきれいな職場と定義している食品関連会社など

 

 5)その他

 

5Sの中で言葉の意味と定義に違いがあるのでは?と言われるのが、「清潔」と「躾」ですが、「清潔」は整理・整頓・清掃の3Sを推進するために、日本人の清潔を好むという国民性を考慮し精神的なよりどころとして使われたようです。(5S活動の生成と展開<高木裕宣>参照)
このことが、現在一般的に説明されている清潔の定義に通じています。

 

製造業の「清潔」の定義は、整理・整頓・清掃の維持、つまり、整理・整頓・清掃の3S活動のルールを決め、それらが守られている状態のことです。また、先の清潔の生い立ちをみると、清潔には「標準化」や「気持ちの良い職場」を意味するという展開の意図も理解できます。

 

一方、食品業界では製造業の5Sを手本に始められたのですが、食品業界の「清潔」は製造業とは異なり職場の最優先事項であり、次のように定義されています。
食品業界の「清潔」の定義は、人がきれいな気持ちよい職場と感じるレベルではなく、顕微鏡レベル、微生物レベルのきれいな職場環境です。

 

上記に大まかな分類を述べましたが、このように5S活動の進め方には色々な方法があります。尚、5Sの詳細については、「5Sとは?職場に最適な5S活動のしくみと取り組み方」をご覧ください。

 

 

2.5S活動の課題

現在、5S活動に取り組んでいる職場でも、最初のうちは一生懸命やっていた5S活動がいつの間にか元の状態に戻ってしまったという経験はありませんか。そのような時、なぜうまく進まなかったのか原因を調査し、次のような取り組みについても実施されたことでしょう。 

 

1) ボトムアップによる意見の吸収で → 自主性の向上が期待できる
2) 5S活動は業務の中で行う    → 人手不足や働き方の変化への対応
3) 報酬、褒める、喜びを与える   → 現場の社員のやる気

 

 

簡単な5S活動も、続けるのは簡単ではない

5S活動を長続きさせ効果をあげるためには、どのように5S活動を進めたらよいのでしょうか、人は目的を共有できればチームワークが生まれると言われています。では、どうしたら目的を共有できるのでしょうか。上司が一生懸命目的や仕事の重要性について話をしても、自分には関係ないやとよそを見ている人がいます。このような人たちは5S活動についても同様で、やりたくないのです。このようにいくら精神論でやっても効果につながらない場合が少なくあります。
5S活動の継続はこのチームメンバーの力と、そのチームをどのように運営するかという両面からみましょう。

 

5S活動が続かない原因

5S活動が続かない原因は、多くの方が調査・分析して、ほぼ出尽くした感があります。それは、次のような内容です。

 

<原因>
1)  何のためにやるのかという、5S活動の目的を理解していない
2)  忙しくて5S活動をやる時間がない
3) 5S活動のやり方を知らない
4) 5S活動が利益に貢献していない

<対策>
1) 5S活動の目的を正しく理解する
2) 日常の業務の中で5S活動を進める
3) 経営トップが指導力を発揮する
4) 5S活動の方法・進め方を教育する
5) 経営に貢献する5S活動を進める
6) 5S活動の効果を実感できる仕組みをつくる

 

5S活動の時間を作る工夫

5S活動は職場環境の改善であると説明しました。この職場環境は、業界や職種によって違いがあります。よって、5S活動の進め方は違います。
サービス業では製造工場のように、毎週、全員が集まってミーティングを行うというのは、なかなかできないのが現状ではないでしょうか。では、どのように5S活動を進めるか?
それは、5S活動のやり方を変えることです。5S活動は、「時間を決めて一箇所に集まりミーティングすること」だけが5S活動ではありません。忙しい時は数分の打ち合わせだけにして、週に1回の短時間のミーティングで進捗状況を確認するなどです。

業種によっては、その特質に応じて次の5S活動の方法を取り入れて5S活動を推進しましょう。
一つ目は、業務の中で5Sを実践する
二つ目は、コミュニケーションの強化による相互協力をする
三つ目は、忙しい時ほど、改善のネタを見つける
四つ目は、朝・昼礼や職場ミーティングでとりあげる
五つ目は、忙しい時でもわずかでも改善活動に時間を割く

5S活動が利益につながることを、理解することなしには継続するのは困難です。

 

5S活動が続かない理由がある

上記のように5S活動を続け、定着させるのに多くの人が苦労してきたように、5S活動は素晴らし効果が期待できるものの、その分「5S活動は続けるのが難しい」という弱点があります。・・・「3.5S活動のメリット・デメリット」参照

5S活動は、他の管理手法と違って職場の全員が自らの意思で実行するという5Sへの理解と協力で成り立っているからです。
5S活動の成功事例として、強力なリーダーシップや経営危機からの脱却の記事を見ますが、定着させるためには特殊な環境ではなく平常時に、誰でも5S活動を続け効果が得られる活動でなくてはなりません。

 

そこで、この弱点を克服する方法についてノンテクニカルスキルを活用する方法を紹介しますので、「5S活動にノンテクニカルスキルを活用しよう」をご覧ください。

 

また下記の記事も寄り道してください。

 

 

 

.5S活動の実践ポイント

求める5Sの姿は一致していますか?部門長は、「まだまだ改善が必要だ」と言っても、できていると思っている担当者は、「これ以上どこを、どのようにすれば良いのか分らず」行動しない。

 

1)「整理」の進め方 

整理のキーワードは「放置しないこと」です。必要以上に購入してしまって今は使用していないもの、故障したまま放置している器具など、使おうと思って買った消耗品が現在は使用されていないなど放置されているものはないでしょうか。
整理が進まない場合は、「不要なものを廃棄する」という方法から「今、いるものだけを残す」というように考えてみましょう。
 
1.不要品の判断基準を決める
何を不要品とするのかという判断基準を決めた「不要品判断基準表」を用意する。人は、いざ捨てるとなるとなかなか捨てられないものです。事前に判断基準を作成しておき、それに従って処置を決めることでスムーズに実行できます。

「整理」とは「要るもの」=「使うもの」を判断すること

 

2.不要品リストを作成する
不要品の抽出に漏れがないように持ち込み禁止物、許可のない私物、故障・破損により使用できない器具などが記載された「不要品リスト」を作成する。数が少ない場合はよいのですが、多くなると漏れが生じます。アッ!これも不要品だということのないようにしましょう。

 

3.不要品を選ぶ
不要品リストに基づき、不要品を選び出す。不要品が多い場合は、「赤札」を付け「見える化」する。

 

4.不要品を処分する
選び出した不要品を、廃棄するのか保管するのかなどの処分を行う。処分するために承認や許可が得にくい職場では、面倒だといって放置される可能性があります。どのような手順で処分を決めるか前もってルールを決めておくと効果的です。

 

5.元の状態に戻らないようにする  → 清潔のレベル
① 仕事場や倉庫庫、休憩室などを定期的に見回り維持されているか確認する。
② 仕事場への不要品の持ち込みを防止する。
③ 不要品の発生をおさえる。

 

[課題]
不要品処分の承認を得るのが簡単ではないという理由で、使えなくなっても処置の手続きをせず放置していませんか。また、委託業務の場合も所有者に対して不要品の処分の許可を簡単には得られない場合が多く、処分できずに放置することはありませんか?

 

[対策]
現場の作業に影響を与えるような場所に置いてあったら、それらをピックアップして、経営者や所有者も同席のうえで、何時までにどうするのか処置を決めておくことにより、期限が過ぎたら処置することが容易にできます。これには、発注ミスやメニューの変更で購入したが使用されなかった食材、機器や大量の使用予定があって購入したが使用されない消耗品なども含まれます。 

 

 

2)「整頓」の進め方

置き場所が分かっているのに表示が必要なのかということを聞くことがあります。5Sの整頓は、置き場所が分かっているかどうかではなく、「ものを取りに行く時間や探すムダな時間が発生していないか、もっと効率よく仕事ができる置き場所はないか」というように考え、先ず、3定管理のうちの「定位置」と「定品」の2定管理を実施しましょう。具体的には、ものを取りやすく、元に戻しやすくする、近くに置いてある、探すことをなくすことや、 配膳車などの大型のものには床の基準線を設けるなどが有効です。その後、「定量」にとりかかりましょう。
 
1.整頓する対象を決める
原材料、調味料、調理機器、調理器具、食器、献立表、マニュアルなど。

 

2.置き場所を決める
使用箇所、使用頻度に応じてモノの置き場所を決める。調理場、食材庫、休憩室など。

 

[3定管理]             先ず、    定位(どこに) →  場所(表示)
                定品(何が)  →  名称
              その次に、  定量(いくつ) →  数量

 

使用頻度の高いモノは手前に置くなど、どこに(定位)なにを(定品)いくつ(定量)置くかを決める。

 

3.置き方を決める
いつでも、誰でも取り出せ、もどしやすい置き方を決める。袋、箱、ケースなどの保管容器も決める。

 

4.表示方法を決める
文字と色を使い、モノと場所が照合できるように見やすい表示をする。

 

5.整頓の日程と分担を決める → 清潔のレベル
① 時間を決め、定期的に見直す。
② 原材料の補充や入れ替えの時に乱さない。
③ 多くの場合、元に戻すときに乱れる。

 

[課題]

どこに何が入っているか分かっており問題なく仕事はできているのに、なぜ表示が必要なの?どの程度細かくラベルを作って明示しないといけないの?

 

[対策]
整頓には3定管理があります。整頓の最初は「モノの位置」です。これは、定位・定品が該当します。そして、三つ目は量の管理で「定量」です。

整頓で大事なことは作業工程の流れを考えたモノの管理です。これが、整頓とはきれいに並べることではなく、使いやすくすることであるという根拠でもあります。こに何がおいてあるか分かっていて表示が必要ないほどの経験がある場合でも、モノを取りに行く時間や探す時間が発生していないかという視点で考えましょう。「どのように置いたらそのようなムダがなくなるか」考え実行しましょう。

 

※元に戻す器具や備品などは、元に戻すときに乱れる

※元に戻さない材料などは、取るときに乱れる

 

 

3)「清掃」の進め方

清掃とは、職場を清掃・点検し、汚れた箇所や点検することですが、業務内容によっては特別な環境を必要とする職場がありますので、それによって違いがあります。

レストランなどの厨房の清掃の目的は、安全で美味しい食事をつくるために、常に清潔で衛生的な調理場の環境を確保することです。5Sの中でも清潔に与える影響が最も大きいのが清掃です。清掃が不十分であった場合は、食中毒菌の増殖を助長させる原因や、食事への異物の混入の原因をつくることにもなります。
清掃しっぱなしにならないようにしましょう。清掃することが目的になると作業台を拭くこと。ゴミ捨てが終わることで満足してしまいます。また、5S活動では清掃結果を点検する必要があります。特に洗浄殺菌が必要な箇所については、マニュアルの手順に沿って清掃することと、その結果を点検し記録を残すことが大事です。

 

1.清掃場所を決める
材料置場、作業室、倉庫、トイレ、休憩室などの清掃場所を洗い出す。理由があって対象から外す場所、壁との隙間などまで詳細に決める。そうしないと、ここはめったに使わないから対象外だと自己都合で決めてしまいます。

 

2.清掃担当を決める
清掃担当表を作成し割り付け掲示する。共同使用場所は当番制が好ましい。各区域の清掃責任者を決める。

 

3.清掃方法を決める
清掃対象の一つひとつについて、ホウキ、モップ、布巾などの何を使うか決める。

 

4.清掃道具を準備する
清掃対象の一つひとつについて、清掃用具を洗い出し、必要数の用具を決められた場所に用意する。

 

5.全員参加で実施する チームワークの基本です
何時から・何分間行なうのか決め全員で実施する。

 

6.清掃後のチェック
ゴミや汚れを取り除くだけでなく、掃除をする過程で細部まで点検し、微生物や衛生害虫の発生しない状態になっているかチェックし記録を残す。

 

7.汚れの発生源対策をする → 清潔のレベル
① ホコリ、汚れ、ゴミに気づく眼を持つ。
② 汚れたら、その場で取り除く。
③ 汚れの発生源を絶つ。

 

 [課題]

清掃記録表に記載されていない箇所はどうするのか?それらの清掃記録はどこに書くの?清掃範囲と方法があいまいになると塵や埃がたまりやすい。


[対策]

清掃計画表は作業場の業態や規模に応じて様々なものが使われていますが、清掃計画表に書いてある対象箇所と現場が一致しない場合は、見取り図などを使用する。

特に清掃においては、手順と判定基準を教えないと清掃は定着しません。なぜなら、清掃は職場環境に大きな影響を与えてしまうからです。例えば、病院の清掃、半導体製造のクリーンルーム、衛生管理の必要な厨房などの清掃においては、手順と判定基準に基づく規定が必要です。

 

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4)「清潔」の進め方

 一般的には「清潔」の意味は、汚れがなくきれいな職場を指していますが、5Sの「清潔」は、「整理」によって不要品がなくなり、且つ、「整頓」によって必要なものの3定管理ができ、「清掃」によってこの状態が維持され定着していることを「清潔」といいます。しかし、「清潔」には職場環境の違いによって色々な定義があります。特に食品関連では、食品に微生物汚染、化学物質汚染、異物混入などの悪影響が起こらない環境と定義されていますので、特に「清掃」に対する範囲や行動内容が違います。

 

1.整理・整頓・清掃の正常、異常の判断基準を明らかにする

2.日常の活動に落とし込まれている

3.全員が3Sを実践し、実施状況を定期的にチェックしている

4.整理・整頓・清掃の3Sが定着している

5.社員全員の取り組みにより3Sが維持されている

  

[課題]

清潔やきれいという言葉の意味は環境によって違いますが、整理、整頓、清掃を維持することですので、しつけと似ていますが「清潔」と「しつけ」の違いを理解していますか?

 

[対策]
清潔は「整理」「整頓」「清掃」の維持ですので続けることが目的です。具体的には次のように、3Sで決めたことを維持することや元の状態に戻らないようにすることです。従って、汚したくないという気持ちで職場環境をきれいな状態で維持しようという気持ちを育てることです。
 
清潔の実施事例を次にとりあげました。
①機械加工の切削クズの発生を減少させるように工具を改良した。・・・整理の予防
②切削クズの専用容器を置いて、毎日就業後に廃棄するルールを作ってチェックしている。・・・整頓の維持
③切削オイルの変更により周囲の油汚れが少なくなった。・・・清掃の予防
 
このように清潔とは、3Sを維持し元の状態に戻らないようにすることです。

 

 

5)「しつけ」の進め方

決められたルールを正しく守る習慣をつけることです。具体的には、整理・整頓・清掃の3Sが常に正しく実行されることを維持することと、汚れの発生源対策などの予防対策について自発的な活動ができるようになることです。尚、5S活動の「しつけ」には社会人としての規範も含まれており、5Sのなかでも一番難しいと言われています。

 

1.守るべきルールを明確にする
社会人としての規範、5Sのルール、規定・基準、作業標準書、作業指示書、緊急時の支援体制等の業務に必要なルール。

 

2.相手が理解するように指導する
・朝礼で周知する。
・誰が教育するのかを決める。

 

3.観察
推進リーダーによる監視と指導を行う。
・不要なものを置いていない。
・モノが乱れない。
・職場が乱れない。

 

4.ルールが守れない場合の対応
理由を確かめて改善する。
① なぜ、守れないのか原因を明確にし、指導する。
② コミュニケーションの充実や、やる気を起こさせる。

  

[課題]
整理、整頓、清掃、清潔の4Sを徹底し、不要なものが出ない整理、乱れない整頓、汚れない清掃、崩れない清潔を実行して習慣化を進めていますか?

 

[対策]
5S活動の「しつけ」は5Sの中でも一番難しいとされています。最初の一ヵ月間は続けることができても、1年、2年と継続できるように人の行動を変えるのは難しいことです。例えば、整理は不要物のリストアップや、不要物の廃棄処理手続きや報告書まで全員で手分けして実施します。記録は人の異動や設備の交換などがあっても、5S活動を停滞させることなく続けるためになくてはならないものです。
 
しつけの実施事例を次にとりあげました。
山本五十六の名言として伝えられている「やってみせ、言って聞かせ、させてみせ、褒めてやらねば、人は動かじ。」にあるように、ルールを守り習慣化するために活動することです。
 事例:
①5Sの定義、目的を理解を深めるために勉強会を実施する。
②ルールが守れない人に対する教育のしくみがあり実践している。
③5S改善活動に取り組んでおり成果を出している。

 

このようにしつけにおける活動とは、ルールが習慣として守れるように教育や訓練を続けることを指しています。

 

 



 

 

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5Sとは?職場に最適な5S活動のしくみと取り組み方

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5S活動によって仕事の品質や生産性の向上を実現し企業体質を強化するためには、5Sの本来の意味を理解し目的を共有することが不可欠です。その上で、職場環境や人の価値観等の社会の変化に対応した進め方を工夫しましょう。 

 
 
 
更新: 2020/11/24

 

 

  1.  5S活動のいろいろ

多くの組織で実施されている5S活動は、「整理、整頓、清掃、清潔、しつけ」の5Sを基本に、「整理、整頓、清掃」の3S活動 や「整理、整頓、清掃、清潔、しつけ、洗浄、殺菌」の食品会社の7S、このほか、組織の方針によって、2S、4S、6Sや8Sなどが実施されています。このようなSシリーズの活動を宣言していない多くの企業でも、職場安全活動や明るい職場作りなど何らかの取り組みがなされています。

 

先ず、基本となっている5S、整理(Seiri)、整頓(Seiton)、清掃(Seisou)、清潔(Seiketsu)、躾(Sitsuke)を取り上げます。その定義は次のとおりですが、組織によっては自社の用語を使って、多少変えている組織もありますが基本的な考え方は同じです。

 

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 ① 整理(Seiri)
   要る物と要らない物を区別し、要らない物を処分する
 ② 整頓(Seiton)
   置き場所を決め、いつでも、だれでも使用できるようにする
 ③ 清掃(Seisou)
   ゴミや汚れのないきれいな状態を保つ
 ④ 清潔(Seiketsu)
   整理・整頓・清掃された状態を保ち、きれいな状態を保つ
 ⑤ 躾(Sitsuke)
   決められたルールを正しく守る習慣をつける

 この定義をよくみると、④は整理、整頓、清掃の3Sの維持であり、⑤は整理、整頓、清掃、清潔の4Sを実践するための規律として存在していますので、実質的に職場の環境を改善する行動は整理、整頓、清掃の3Sになります。このような理由から3S活動に力を入れている企業もあります。また、厚生労働省の飲食店の労働災害防止マニュアルでは、4S活動は職場の安全と作業者の健康を守り、作業効率アップの教育プログラムであるとの説明もあります。

一方、食品関連企業においてはいわゆる製造業の5Sでは食品会社の職場の環境を維持できません。その理由は、食品会社においては食中毒菌等の微生物レベルの清潔を維持することが大前提となっているからです。この微生物レベルの清潔については色々な考え方があります。これらの考え方の違いは、「清掃」と「清潔」をどのように定義するかで決まります。その一つは基本の5Sの「清掃」と「清潔」を次のように微生物レベルで定義する方法と、洗浄、殺菌を追加する方法の二通の考え方があります。

 

一つ目は、基本の5Sのままとすることです。
1) 整理、整頓、清掃、清潔、しつけ
  清掃:微生物の除去、化学物質汚染や異物混入防止、及び設備点検が含まれる
  清潔:調理機器、器具は洗浄・殺菌を行い、微生物学的にもきれいな状態にする

 

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2) 整理、整頓、清掃、しつけ → 清潔  
  清掃:ゴミや汚れのないきれいな状態を保つ、洗浄・殺菌を含む
  清潔:5Sが定着しており微生物学的にもきれいな状態を保つ、目的である

 

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3) 整理、整頓、清掃、修理・修繕、しつけ   →  清潔 
  清掃:ゴミや汚れのないきれいな状態を保つ、洗浄・殺菌を含む
  清潔:5Sが定着しており微生物学的にもきれいな状態を保つ、目的である
  6Sであるが5Sとして活動しているところもある。 

 

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二つ目は、基本の5Sに「洗浄」と「殺菌」を追加して7Sとすることです。
4) 整理、整頓、清掃、清潔、しつけ、洗浄、殺菌
  清掃:ゴミや汚れのないきれいな状態を保つ、設備点検が含まれる
  清潔:整理・整頓・清掃された状態を保ち衛生的な状態を保つ、目的である

 

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5) 整理、整頓、清掃、清潔、しつけ、洗浄、殺菌、整備  7S+整備
  清掃:ゴミや汚れのないきれいな状態を保つ
  清潔:整理・整頓・清掃された状態を保ち衛生的な状態を保つ、目的である

 

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このように色々な方法がありますが、企業の業種、業務形態、管理レベルなどの組織の実態に応じて最適な定義を設定する必要があります。5Sとは〇〇だと一律に定義づけることは困難です。自社にマッチした5Sを定義することが大事です。

しかし、5S活動を言葉の定義の理解だけで進めることは困難です。「 5S活動の進め方5S活動の実践ポイント」にどのように進めるのかについてまとめていますので参考にしてください。

 

 

  

 (一口メモ:食品5Sについて) 
・上記3)の7Sは、食品衛生ネットワークが2003年から提唱している活動です。

・洗浄とは、食品製造加工施設や設備・環境の食品残渣などの汚れ及び有害微生物を除去することです。
・殺菌とは、見た目のきれいさだけでなく、微生物汚染度を更に減少させ許容基準以下にすることです。

※ 食品5S活動の進め方は、「食品衛生の基本と5S活動」

 

 
(一口メモ:病院5Sについて)
病院における5Sは製造業で実施されてきた5S活動と同じように、仕事を安全に効率良く進めるために実施されるようになりました。特に、病院は人の命を預かっている職場であり、薬の投与間違いなどの医療事故や医療機器について5Sの考え方が取り入れられています。 

 ※ 病院5S活動の進め方は、「病院5S活動の進め方」

 

 

 

 2.  5S活動の構成要因

サービス業においても最近5S活動が盛んになっていきました。5S活動は職場環境の改善ですので職場によって異なるのは当然ですが、特に業種や業界によって職場環境に大きな違いがあります。
製造業から出発した5S活動は今や全産業分野で大きな広がりをみせていますが、活動が形骸化した、効果が出ない、活動が続かず元の状態に戻ったなどの話をよく聞きます。これらの原因のほとんどは5S活動を推進するうえで必要な、トップの理解、人、時間、場所、改善、リーダーシップ、チームワーク等に問題があるということになるのですが、最も大きな理由は、業種の違いや会社をとりまく内外の状況の変化ではないでしょうか。
5Sの定義や考え方は全産業において効果があり普遍的であると言われています。これは5Sとは何かという論理的な定義についてのことであり。手法や進め方などについて型にはめることは困難です。「ある企業で成功した5S活動も他の会社ではうまくいかない」「三年前まではうまく機能していたが、最近同じことをやっても効果がでない」というような変化があるのは当然のことです。製造業からサービス業界に入り5S活動を推進するにあたって以下に列挙した事柄を考慮し、変化に対応した進め方を自ら工夫して進めていく必要があります。これはサービス業だけでなく業種を超えて5S活動を進める時の注意点であるとも言えます。

 

[品質のレベル]
車や電気製品の製造工場のように5S活動が徹底的になされ世界的にも品質が認められた企業では、徹底的に5S活動や5Sという言葉を使わなくても職場環境の改善活動を実施しています。このことは、食品業界や病院においても同じことで要求品質を確保するためには5S活動は欠かせません。5S活動ができている企業はその製品品質もすばらしいものです。

[安全への関心]
最近、マンションの建設現場に安全第一と一緒に「5S活動推進しています」という看板が貼り出されていました。危険と隣り合わせの職場では徹底した5S活動がなされています。一方、外食産業では食品安全が重要なウェイトを示しますが調理の過程で床にこぼれた油のために転倒するというような労働安全もあります。

[教育・訓練の必要性]
社員には、正社員、契約社員、パート社員などの異なる勤務形態の人々が働いています。特に、厨房においては多くのパート社員が勤務しています。これらの異なる勤務形態の人々が同じく5S活動に対する共通認識を持つことができるとよいのですが、多くの場合はそうではありません。また、人間は間違いをおかすものですが、業務における間違いがどの程度許されるかは、その作業の重要性や安全性により変わってきます。
工業製品の製造の場合は人と話をするのが苦手な人でも手順書どおりに作業をすれば問題ありませんが、サービス業の場合は多くの場合、人が相手ですので笑顔で話ができない人は、相手を喜ばすサービス業においては良い仕事ができません。このように個人の性格など人間的側面が重要視されます。

[作業場所の特殊な環境]
食品関係の「清潔な厨房」や「病院の無菌室」、半導体製造工場の「クリーンルーム」など、要求品質を作り込むためには特別な職場環境が必要な場合があります。特に、外食産業では微生物レベルの清潔な環境、異物混入のない環境が必要です。

[設備機器の活用]
工業製品に限らずサービス業においても設備器具の不具合により、問題が発生することが少なくありません。設備の自動化の程度もまた影響を与えます。古い機械を丁寧に使っている工場と、最新の設備とでは環境が異なります。

[職場の管理レベル]
現場における目標管理、啓発活動、改善活動、不良対策、作業手順書の作成など実施レベルに影響を受けます。5S活動は現場で運用されている管理システムに沿って運用されます。そうでないと、5Sのために特別なことを押し付けられてしぶしぶやるということになりかねません。例えば複数の工場が存在している企業においては、各工場の管理のレベルにあわせて運用手順を決めなくてはなりませんが、A工場では5S監査員がいて自社で5S監査できるが、B工場では監査のできる人材がいないので、A工場から応援にきてもらって5S監査を実施しているということもあります。

[企業の5S目的]
トップに叱られた時だけしぶしぶやる5S、建前だけは5Sをやっている会社など様々ですが、過去において、厳しい苦難を経験したオーナーがいる会社は本気で5S活動がなされています。

[業種]
自動車や電気製品など古くから5S活動が盛んな自動車業界や電機業界から、建設現場や化学工場、更に、人の命をあずかる医療業界や食品メーカーなどでも5S活動が行われています。しかし、これらの多くの業界の中でも5S活動のレベルには差があります。中でも、サービス業の労働生産性は製造業より低く、特に労働集約型のサービス業においては1人当りの生産性が低くなり、利益がでにくい、したがって人件費も抑えられることにより、社員のモチベーションが上がらないなどの課題があり、人が主役の5S活動にも影響を与えています。

 
[組織の大きさ]
一般的には大企業と中小企業とでは売上金額、社員数などに大きな差があります。その結果、5S活動を担う社員数や活動テーマ数など運用の規模が異なってきます。特に、一人でいくつもの業務をこなさなくてはならない中小企業においては、5S活動を担う組織や担当者が曖昧になり積極的な活動がなされない傾向にあります。

[全員参加]
自動車や電気製品など製造工場を有する職場では、全員参加の委員会やミーティングなどが容易である組織もあれば、運送業など絶えず外で走り回っていて、全員が集まるのは年に1回という組織もあります。

特に人手不足である食品業界はパート社員によって支えられており、その割合は50%以上というとこらが殆どではないでしょうか。このような状況下では就業後にミーティングの時間を設けることは困難です。

一方、パート社員比率の少ない組織においては、正社員が中心になって5S活動を進めることが可能です。また、通常パート社員は時給いくらでという条件で毎月契約更新しています。

このような条件で働いていると会社への帰属意識は低いものになり、内部のコミュニケーション能力に影響を与えます。 以上より、パート社員比率の高い職場では、時間内にミーティングを開く必要が出てきます。あるいは、時間の確保がパート社員より比較的容易な正社員が、ミーティングの準備や資料を作るなどの検討も必要です。

 

 

3.5S活動のメリット・デメリット

5S活動は「職場環境を改善」する活動ですので大きなメリットがありますが、デメリットもあることを理解しましょう。

 

1)メリットとしては次のようなことがあげられます。

  • 業務効率の向上
    ①モノを探す時間がなくなり、ムダを省くことにより業務効率が向上する。
    ②原材料や部品、商品の管理が確実になり品質向上につながる。
  • 社員の意識改善
    ①働きやすい環境を整えることにより、社員の意識改善につながる。
    ②5S活動によりチームワークが向上する。
  • 職場環境改善
    ①職場内が整備され、労働災害の起こらない安全な職場をつくる

 

2)デメリットとしては次のような点があげられます。

  • 効果が出るまでには時間がかかり、中には年単位の時間を要する場合がある。
  • 職場に定着させるためには、活動を続ける必要がある。

  

このブログではこれらのデメリットを克服して、メリットを得る方法について話を進めていきます。

 

 



 

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4.5S活動の目的についてのお話し

先日、食品関連会社勤務の知人と話をする機会がありましたので、5S活動がうまくいっているか聞いてみたところ、「5S活動をやることを目的してやって問題ないだろう、だって、やればムダがなくなるなどの効果がついてくるのだから」という趣旨の返事を聞き、以前、5Sの目的について議論したことを思い出しました。

今回は食品会社ですが、従来の5Sの「清掃」の中に洗浄を、「清潔」の中に殺菌を含めた5Sの定義で活動しており、最終的な目的は微生物レベルの清潔になります。つまり、清潔に関連する事柄を5S活動の目的と決めなくても、5Sをやっておれば結果として清潔になるから良いという論理です。

最近5S活動の効果に疑問を投げかける人がいます。その理由は、5S活動にかける時間に対する効果が少ないということ、更には、行き過ぎた5S活動により、かえって不便になっているのではないかということです。5Sを徹底するために業務効率を低下させていたのでは本末転倒ということです。しかし、なぜこのようなことになってしまうのでしょうか。その主な原因は、全員参加という5S活動の基本ができていないためです。
例えば、「帰る時には机の上にはモノを置かない。」と決めたとします。その結果、ある人から、かえって能率低下になるとクレームがあるようなケースです。なぜでしょうか?これは、5S活動そのものが目的となっているためであり、なぜ帰る時には机の上にはモノを置いたらいけないのかについて話し合っていないからです。皆が思い思いの意見を言いまとまらない?そんな状況では、後日問題となるのは明らかです。

 

 

5.5S活動とは徹底すること

5S活動とは5Sを徹底することだとよく言われますが、どういうことか具体的にいうと「5Sの定義を徹底して実行すること」と言い換えることができるでしょう。例えば、整理では、「必要なものと不要なものを区別して不要なものを処分する」これを徹底することです。しかし、徹底という言葉はあいまいで人によってその認識に差がありますが5S活動の徹底は次のような行動を実践することであると言えます。職場環境のバランスをとりながら進める配慮が必要です。

整理
整理における徹底とは、不要なものはすべて廃棄し、不要品が発生しなくなるまで繰り返し改善する。 

整頓
整頓における徹底とは、例えば、仕事がすぐに始められるように置き場所や置き方、 表示の見える化を工夫し、必要な時に必要なものが直ちに使用できるように改善する。

清掃
清掃における徹底とは、仕事場を清掃・点検し、汚れた箇所や点検で発見した問題の原因を明らかにして改善する

清潔
清潔における徹底とは、整理・整頓・清掃を継続して、ムリ、ムラ、ムダのない職場を維持するために絶えず改善する。

しつけ
しつけにおける徹底とは、仕事に関するルールを理解させ、ルールを守れる人材を育成する。

 

もう一つ重要なことは、5Sは、整理→整頓→清掃というようにシリーズではなく、すべてが相互につながっているということです。このつながりをスムーズに動かす潤滑剤の役割をなすのが「しつけ」であるということです。「しつけ」は決められたルールを正しく守る習慣をつけると定義されており、以前は、他の整理、整頓、清掃、清潔のルールを守ることだとされていましたが、近年は業務に関連するすべてのルールと理解されています。これには、整頓や清掃手順だけでなく、職場ルールや製品規格、作業標準書などすべてが含まれます。

人を育てるという考えであった5Sの「しつけ」は、ISOの教育に対する考え方や派遣社員外国人労働者への対応に見られるような人手不足の時代になり益々重要視され、「しつけ」を5Sの基本に据える考え方へ変わってきました。

さらに、5Sの定義にあるように5Sの手法そのものが改善ですので、改善前後の職場環境がどのように変わったかに関する改善結果の確認が必要です。

 

仕事の瞬間、瞬間で5Sを実践

私は最初に工業製品の5Sを進めましたが、サービス業の分野においては上記の「環境」の清潔、「教育・訓練」におけるヒューマンエラー、「全員参加」のミーティングの実施において、大きな違いがあることが分かり進め方を変えました。
先ず実施したのが5S活動の時間の確保です。5S活動は単に職場をきれいにするだけでなく、仕事の中で5Sを実践することにより次のように、作業がスムーズ実行され業務改善にもつながります。作業を実施しているその場所、その瞬間に5Sを実践します。
1.作業の見える化
仕事のその瞬間、瞬間で必要なものと不要なものを仕分けることにより、何が終わって何が終わっていないか「見える化」されます。
2.作業効率アップ
先入先出はもちろん、作業の順番や使用頻度に基づく食材や器具の配置で作業がスムーズに流れ、作業ミスも減少します。
3.職場の環境をよくする
5S活動により職場内のコミュニケーションが良くなり、みんなから改善のための知恵が出てきます。

 

5Sの「整理整頓」について

整理整頓は、きれいに並べ直したり積み直したりする整列や、見た目にきれいに並べる陳列とは異なるものです。
今まで作業台の上にあった物を作業台の下に置くと、作業台の上はすっきりときれいになり気持ちいいでしょう。しかし、使用するたびに作業台の下から引っ張り出さなくてはならなくなり、効率は下がってしまいます。これは5Sとは言えません。5Sの整理整頓とは、実行することで「探すムダ」や「見分ける手間」が省かれて作業に専念できることなのです。

 

5Sの「しつけ」について

5Sの中でも特に大事なのが「しつけ」であり、その定義にはこれだという決まったものはありませんが、一般に次のような説明が含まれています。

  1. 決められたルールや規律を守ること(3Sの定着、習慣化)
  2. 決められたルールに従って行動している状態(定着、風土)
3Sが定着し、決められたことを守れる風土になっている状態(1,2を合わせたもの)

  

さて、「しつけ」とは「決められたルールを正しく守る習慣をつけること」と定義されています。

5Sを実践するための潤滑剤である「決められたルール」とは?

決められたルールには、次のようなものが該当しますので、これより「しつけ」は社会生活の上での土台であるということが良く理解できます。


1.5Sのルール
  職場で5S(整理、整頓、清掃、清潔、躾)について決めたこと
2.会社のルール
  就業規則、業務管理基準、標準作業など
3.社会のルール
  ・交通規則などの法令、業界団体の規則などの法令等
  ・一般常識といわれる挨拶など

 

「正しく守る」とは?

「しつけ」は教育・訓練と言われています。「親の子に対するしつけ」、「学校でのしつけ」などを思いだす人も多いでしょう。しかし、仕事においては子供のしつけと違い簡単ではありません。先ず、正しく守るためには、ルールを正しく理解する必要があります。

 

「習慣をつける」とは?

教育・訓練を受け正しく理解したら、必ずルールを守ることができわけではありません。ルールを守るためには「納得」が必要です。納得とは、守らないとどうなるかということを、そのとおりだと認めることです。ルールを教育・理解・納得することが必要ということです。では、人は納得すれば習慣になるのでしょうか。これについては、Webの5Sの関連記事で事例を見つけましたのでそれを紹介します。 

[ 納得すれば本当に習慣づくのでしょうか ] 抜粋
例えば、車のシートベルトは殆どの人が毎回きちんと締めます。交通ルールを守っているのです。しかし、スピード違反を一度もしたことがない人はゼロに近いのではないでしょうか。捕まる、捕まらないは別として、時速30km制限の道路で、制限速度を守って走っている人は少ないと思われます。なぜシートベルトは守って、スピードは守らないか。それは、シートベルトをした方が安全というのは納得しているからです。しかし、時速30km以下で走らないと安全ではない、というのはあまり納得していないのです。人間、本来納得すれば実行するようになるのです。

  

 

6.5S活動を続ける秘訣

5S活動を開始するに当たっては決起集会をやって・・・など、コンサルタントの記事をよく見ます。以前、知り合いのコンサルタントに話を聞いたことがあります。5Sを開始した最初の一年間ほどは活動も活発に行われ成果が上がり、社長も満足されるが、2~3年経過して久しぶりに社長に会い、その後のようすを伺うと、最初の一年間は活発であったが、今は熱が冷めたように5S活動を開始する前の状態に戻ってしまったと嘆いておられたという話を聞きましたが、このような組織も少なくないようです。一時的なコンサルではなく後々まで続けられるように、コンサル後の道筋をしっかりと付けることの重要性を示す良い事例でした。

5S活動の実施事項を決めるのはだれでしょうか、よく個々の要望を聞いていたのでは進まないという話を聞きますが、現実を無視した、いや現実に配慮せずに進めること事態に問題があります。5S活動を始めるにしても、コンサルタントを呼んでキックオフ大会を開いて進めたほうがうまくいく企業もあれば、じっくり進めた方がよい組織もあります。患者の治療も、手術が必要な患者もいれば、漢方が良い患者など様々です。重要なことは、その患者のことを良く知り、適切な治療法を見つけ実施することです。

冒頭にも書きましたように、5Sという言葉が使われてから既に半世紀が経過しました。その間の社会の変化、とりわけ5S活動の対象とする職場環境がどれほど変化したかは言うまでもないことです。更に、人間の意識も大きく変化して、学校教育や社会制度も変化しています。5S活動もこれらの社会の変化に対応した進め方をしなくては、人々は5S活動の目指す成果を得ることはできません。そうなると5S活動を継続することも不可能です。したがって、5Sという言葉は普遍的であるといわれていますが、活動の進め方まで変化に対応していないのであれば、それは非常に問題を大きくします。立ち止まって考えてみましょう。

 

 

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5S活動の目的を理解していますか?

「どのような成果が得られるのか」ということを自覚していないと、5S活動そのものが目的になってしまいます。

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全員の役割を決め、関係する人の意見を聞いていますか?

自分が何らかの役割を分担するということは、主体者意識を持つことになるからね。

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5S活動で対象とするエリアを明確に決めていますか?

5S活動を実施するエリアを特定していないと、漠然としてうやむやになって進めることになってしまうからね。

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5Sの指導者の部屋やその机の上はきれいで手本になっていますか?

現場の人から「自分はできていないのにやれというのか」という反発の声があがる可能性があります。

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ところで、5S活動は順調に進んでいますか?

5S活動の目的や成果を共有することによって、5S改善活動を進めています。

帰る時に机の上にモノを置かないというのは、机の上に置いてあるのは何か、机の上のモノの置き場所が他にあるのか、机の周りは整理されているのかなど、ルールを決める前に十分に調べ実施の可能性を見極めることが重要です。単に仕事の連続性の問題だけでなく、業種や組織のおかれている環境によって色々な方法があるということです。

 

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5S改善!現場力と5S改善シート 

                                                                                                                                                                                       

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 5Sの効果が出てくるようになると5S活動は継続することができます。その基本となるのは現場力による改善の力です。
 
 
 
更新: 2020/11/21

 

 

1.5S改善で現場は強くなる

多くの企業で長い期間に渡って5S活動に取り組んでいても、なかなか定着しないため苦労している方も少なくありません。また、一時的に5S活動が盛んであった企業もいつのまにか元の状態に戻ってしまったという話もよく聞く話です。「徹底して5S活動をやろう」という掛け声だけでは継続できるものではないことは、5S事務局や5S活動にたずさわっている多くの方がいやというほど経験しているのではないでしょうか。

多くの場合、先ず、職場を整理・整頓してきれいな職場にしようという美化運動から入るため、「ほぼ満足できるきれいな職場になった場合」又は逆に、「きれいな職場が長続きせず元の状態に戻ってしまい継続できなかった場合」など、いずれの場合でも次の段階へステップアップできず、定着しない場合が多くあります。それは、掃除をすることが目的となっていた場合に起こりやすい落とし穴です。
 
・異物混入防止などの具体的な目的がないため、自分の意志ではなく、指示に従ってイヤイヤやっている。あるいは、言われたところだけ、5Sチェックで指摘されたところだけやるようになります。
 
・このように5S活動をやっているといっても、トップを含め積極的に実施している企業から、言われた時だけしぶしぶ整理整頓する企業までかなりのギャップがあるようです。

 

しかし、このような状態は5S活動の目的を明確にすることにより、下記に記載した「5S改善」により継続可能です。

 

※組織の現場力が低いうちは他からの支援が必要です。このような組織もギャップが大きいのですが、各部門の支援の責任を明確に決めたしくみをつくることにより積極的な活動ができます。これは、言われた時だけしぶしぶやる組織とは違います。

 

 

2.5S改善を進める現場力

現場力とは企業の現場における自律的問題解決能力と言われていますが、一言で表現するならば「現場で働く人の行動力」ということです。つまり、それぞれの販売店において問題を発見し、解決していく能力のある店舗ということができます。そして、現場力を高めるための具体的な三つの能力を外食産業にあてはめてみると次の三つになります。   
 
1) 店舗で発生する様々な問題を自ら解決する力   
2) 店舗の一部の人だけに任せるのではなく、全ての人が知恵を出し合って参加す協調性のある組織力   
3) 現状に満足せず、高い目標を持って推進する力   
 
現場力とは自ら問題を解決する力ですから、問題が何かを理解することが必要です。問題を問題と気付かなければ改善は望めないからです。
  
例えば、レストランのあるべき姿は、美味しく安全な食事を提供することであり、クレームのない楽しい食事を提供することです。これに近づくために具体的な行動を決めます。それが、衛生管理、異物混入防止やお客様応対ルールなどの標準類です。しかし、現場では、献立変更や注文の変更などいろいろな要因によって、これらの標準や規定どおり実施されていないという出来事が発生する場合があります。
 
このような標準や規定どおりに実施されなかったという現状とのギャップのことを問題としてはっきりと認識することが必要です。食事提供のミス防止のチェック方法や調理器具の置き場所の識別は店舗で決めたルールですし、手洗いや提供時間に合わせて調理するのは衛生管理です。これを順守できなかったら問題と捉え、再発しないように解決する力が現場力になります。  
 
現場力を向上させる最も基本となるのが「5S活動」です。5S活動を積極的に推進している店舗は、品質向上や衛生向上についても顕著な効果をだしているからです。美味しく安全な食事を提供するために5S活動をしっかりと取り組めば、物の整理整頓から作業の整理整頓へと進み現場力は向上します。経験の浅い職場や小さな職場においては、5S活動をやりなさいと言っても何をやってよいのか分からないという場合があります。そのような時は、それぞれの職場の現場力に応じて支援する必用があります。しかし、考えてみたいのは、どのような状態の時に支援すれば良いのかということです。大事なことは人の能力や特性を考慮せずに判断することができないということです。

 

<非協力的な職場>
組織には非協力的な人が必ずいるものです。そのような組織の5S活動はどのように進めれば良いのでしょうか。

 

<予防整頓>
材料や部品は使用する材料や部品をとった後が乱れる!
機器や工具・器具は元に戻すときに乱れる!

 

 

3.5S改善

5S改善とは、職場の「環境や課題」を5Sの視点から改善することです。したがって、5S活動は、5S改善を通して職場環境を良くすることと言えますが、重要なポイントは5S活動を続けることです。しかし、5S活動は効果がないと続けることが難しくなるため、発生源対策を実施して効果を上げる必要があります。例えば、全員で清掃しきれいになっても、一時的で、すぐ元に戻ってしまっては、5S改善の効果があったとは言えません。この場合、「なぜ汚れてしまったのか」「なぜ乱れてしまったのか」その元を絶つ発生源対策を実施すれば、きれいになったものが元に戻ることはありません。このように、効果が出てくると5S活動は続けられます。

5S改善の目的

企業の狙いとする効果に結びつく目的でないと5S活動は長続きしません。例えば、食品会社のように清潔な環境が基本となる職場では次のような効果を期待するでしょう。また、業界で一番になる、誇れる職場づくりなどを目標に改善を進めることになります。

 

1) 衛生管理の徹底       → 衛生の5S
2) クレームの撲滅                    → 不良対策5S
3) 労働時間内の業務      → 人件費削減5S
4) 新商品の開発        → 開発5S
5) 原材料費の計画内の使用   → 材料費削減5S
6) ルールが守れる積極的な人材 → 人材育成5S

    

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5S改善のテーマ

多くの場合、今までできていなかったことや、気にはなっていたが大ごとにはならないという理由で、今まで放置されていたようなことが対象になります。
 

 [職場環境の改善]

長い間、気にはなっていたが、大きな問題になることはないだろうと放置していたようなこと。例えば、部屋の角にたまっているチリやホコリなどがあります。
 

[慢性的に発生している問題]

慢性化したクレームなどです。例えば、異物混入の毛髪混入などが該当します。
 

[能率が上がらない]

無駄な時間などです。例えば、探し物をする時間、本来ならしなくても良いことなどに費やしている時間などがあります。

 

  

 

5S改善事例

5S改善の結果は、5S改善シートを使ってまとめます。改善前後の写真を載せ簡単な説明を添えましょう。改善シートのもう一つの目的は、時間とともに元の状態に戻るのを防ぐという大きな役割があります。
改善結果は「改善シート」を作成します。この改善シートは、改善前と改善後の写真をで比較し見える化するものです。これによって、改善内容を詳しく理解すると同時に、写真を残すことにより改善結果を忘れることのなく維持するためにも有効です。

 

 

事例 1.

[5S改善の目的]
キャビネットに置いてある検査表やチェックリストは種類が多く、探すというムダが発生しているので、1分以内に取り出せるようにする。

 

[現状把握]
キャビネットの棚の上に置いてあり、大まかな区分はしてあるがキャビネット の外からはどの棚に何が置いてあるか分からない。慣れてくるとどこにあるかを覚えてくるので今まで大きな問題になっていなかった。

 

[取り組み内容]
・整理  必要な書類と不要な書類を区分する

・整頓  関連性のある種類ごとに区分する

・清掃  使用頻度の少ない書類は一冊にまとめる

・清潔  使用頻度の多い書類は目的別に色分けしクリアケースに入れる

・しつけ ミーティングを行い、整理後の配置や書類の内容や使用方法を周知する

 

[効果]
① 従来13種類あった書類は11に減らすことができた

② 全てがキャビネットの、どこに、どの書類があるか一目で分かるようになった

③ 全員がどんな書類でも1分以内に見つけることができるようになった

 

[改善シートの記録]

改善結果は写真を撮って改善シートを作り、改善の前と後の比較ができるように見える化します。必要に応じて写真だけでなく説明を加えると同時に、何がどのように変わったのか説明を加えます。改善効果についても、金額や時間短縮など把握できる範囲で詳細に記載し継続的ない5S改善につなげます。

 

 

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 2.
[5S改善の目的]
工場で発生した返品や修理品は確実に仕入業者に渡し、引渡しの遅れや紛失をなくす。併せて、仕入業者との良好な関係を築く。

 

[現状把握]
材料倉庫の入口の棚には、返品や修理品がむぞうさに置いてあり、仕入業者の担当者が来ても該当する返品や修理品を渡し損なうことがあった。さらに、来社頻度の少ない業者には引渡しが遅れ、返品のタイミングを逸してしまうものまで発生していた。

 

[取り組み内容]
・整理  返品や修理が発生した時点で業者の担当者に電話連絡する
        不良在庫、滞留在庫を作らない
・整頓  業者ごとに専用の箱を作ってその中に入れる
・清掃  掃除の時に専用箱を確認し、忘れがないか確認する
・清潔  毎週返品や修理の発生状況を集計し確認する
・しつけ 業者が簡単に業者に渡るように手順を周知する
        
[効果]
返品や修理品をすばやく仕入業者に渡すことが出来るようになり、仕入業者とのコミュニケーションの増加により良好な関係が構築できた。

 

[改善シートの記録]

改善結果は写真を撮って改善シートを作り、改善の前と後の比較ができるように見える化します。必要に応じて写真だけでなく説明を加えると同時に、何がどのように変わったのか説明を加えます。改善効果についても、金額や時間短縮など把握できる範囲で詳細に記載し継続的ない5S改善につなげます。

 

 

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5S活動をヒューマンエラーの予防に役立てよう

                                                                                                                                     

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サービス業における5S活動の目的は、ヒューマンエラーの起こりにくい環境を作ることです。
 
  
レストランなどの外食産業で発生する異物混入や配膳ミスなどのクレームの多くは、決まっていることをやらなかったため、あるいは禁止されていることをやったために発生していますので、それらはヒューマンエラーに該当します。このようにヒューマンエラーとは、「意図しない結果を生じる人間の行為」と定義されています。(JIS Z8115:2000)
また、食品業界では衛生環境をいくら整備しても、手洗いやまな板の使い分けなどの手順を無視すれば食中毒事故が発生します。更に、毎日の繰り返し作業につきものなのが、「思い込み」や「慣れ」による間違いです。このようなヒューマンエラーは、その発生した原因別に次項のように分類できます。
 

 
 

2.ヒューマンエラーの種類

下記の参考資料をもとにヒューマンエラーを分類してみました。

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図の1)から7)について具体的な事例を下記に説明します。

 

1) 無理なこと(認知能力の限界)
無理な事とは、人の能力を超えた作業があった時に、それに対応できずにエラーが発生する場合です。
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それって無理なこと!

           人の認知能力の低下を考慮して対応する!

 

例えば、パーティー参加人数を口頭で15人から17人に増やすように連絡を受けた時に、17人ではなく18 人と聞き間違ってしまったというようなケースがこれにあたります。
人の五感にも限界があります。
大事なことは口頭ではなく、必ず文書で連絡する、受け取る時も文書で受けるというのもこのような間違いを防止するためです。過去に口頭で言ったことが相手に伝わらなかったために発生した事故は少なくありません。
無理な事とは、このように人の認知能力の限界を超えたために発生するエラーです。
(事例)
注文書の文字が小さく見にくかったので、「オレンジジュース」と書いてあるのが分からずオレンジジュースを付けなかった。
(説明)
これも担当者の視力の低下という認知能力の限界を超えた作業のために発生したエラーです。人は大人になり年をとると年齢とともに視覚・聴覚・触覚・臭覚・味覚の五感や体力も低下していきますので、人のこれらの能力と作業負荷には、常に注意を払わなくてはなりません。この場合、5Sの識別管理を利用し文字の大きさを〇〇mm以上と決めておくことによりこのような事故は防ぐことができます。

 

2)うっかり(勘違い)・・・人間の特性「行動」
指示書の見まちがいや思い込みによる間違いがこれに該当します。ミスの原因の中でも、うっかりによるミスは少なくないようです。このようなミスは誰でも経験し、苦い経験があるものです。

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やっちゃいました・・・

          でも、整理ができているとミスはおこりにくい!

(事例)
在庫してある経管栄養剤を取りに行った栄養士〇〇さんは、いつも棚の右側に置いてある経管栄養剤Aが左側に置いてあったので、経管栄養剤Bを間違って手に取りトレーにセットした、その後のチェックでも間違いが発見されず、患者様に配膳された時に看護師の方が気付いた。
(説明)
このような取り違いを防止するためには、次のような対策が考えられます。


[とり違いによるうっかり防止]
a. 同じ所に置かない
間違いやすい物を同じ所におかなければ、取り間違う可能性がなくなります。
b.ルールを作る
同時に異なるものを取り扱わないなど、「しくみ」を作る。
c.色や形で見分けるための識別をつける棚に置き場所の表示をすることは当然のこととして、例えば、マーカーで献立表の経管栄養剤Aを緑色に、経管栄養剤Bを黄色に色を付けて識別するというようことです。これらa,b,cの5Sの識別管理に加えて次の指差し呼称で防止することが可能です。
d.指差し呼称をする
間違い防止のためによく使用される方法に「指差呼称」という方法があります。この場合、注意が必要な事は、識別する部分を確認するということです。例えば、この事例の場合、「経管栄養剤よし」では不十分であって、「経管栄養剤Aよし」というように、識別が必要な部分の「A」を言わなくては十分とはいえません。
この時、声を出して、指でさすことが重要であるといわれています。声を出すことで大脳が一斉に活動すること、また他の事を考えられないために集中できるメリットがあるといわれています。

[指差し呼称]
連絡表から作業指示書に書き写す時の間違いを防止するための指差し呼称

配達先を6号棟東を6号棟西と書いてしまったというミスについても、同様のことが言えます。この場合、「6号棟よし」では不十分で、識別箇所の東を入れて、「6号棟東よし」でないといけないということです。この手のミスはベテランになればなるほど増えしかも頑固です。

 

[思い込みによるうっかり防止]
a.思い込みに合わせる
思い込みによるヒューマンエラーの場合は、「思い込みに合わせる」という対策があります。例えば、調理の時、塩と砂糖の調味料をよく間違うので容器の形状を替えて区別していたが、いつも右側に砂糖があると思い込んで間違っていたので、対策として左右を入れ替えたというような場合です。このように、思い込んでいる状態に現状を変更して一致させることです。
b. 統一する
ここでいう統一するとは標準化のことです。例えば、調理機械を同じものに統一して操作ミスをなくするなどがあげられます。
c. どちらでもよい
どちらでもいけるようにすること。融通を利かすことです。
d. 識別表示ははっきりと
明瞭な表示などによって防止しようというものです。
e. 最悪の状態を考える
最悪の事を考えて行動することです。今まで大丈夫だったからという理由でリスクを甘く評価してはいけません。例えば、たびたびトラブルを起こしていた炊飯器が、ある日スイッチが入らなくなったが、今回もすぐ良くなるだろうと原因を調査しているうちに時間が経過し、予定どおりに食事を提供できなかったというような場合です。このような時は、ごはんが炊けず食事が時間どおり提供できないという最悪の状態を考えるということです。
f. 落ち着いて一歩引く(視点を変える)
問題から一歩引いて、客観的な目でみることです。例えば、何回計算しても食数が一致しない場合に、見方を変えて先月の実績と比較しながら確認したところ、数字を読み間違っていたことが分かったというような場合が該当します。

 

3)し忘れ・・・人間の特性「行動」
し忘れはラップスとも言われ、会議の予定を忘れてしまい会議に出席しなかったというようなミスで、よく経験することです。

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すっかり忘れちゃって・・・

                                 人は忘れるということを理解しないといけないのだが!

(事例)
し忘れは毎日のように私たちの周囲で発生しています。取引先から請求書を受け取ったが来客があり忙しい日であったので、後で処理しようと思っているあいだに忘れてしまい指定の支払日までに処理できず信頼を失う事態になった。
(説明)
この問題では、請求書を受け取ったが次のアクションを起こすことを忘れてしまっています。このような時は、連絡を受けてそれを次の動作に展開したことを確認するための、何らかのミス防止のバックアップができておれば良いのですが、連絡を受けっぱなしになってしまったのです。

やろうとする本来の業務の前の作業は忘れる可能性が高い、例えば食事という本来業務の前に薬を飲むのを忘れるようなケースがこれに該当します。

一方、エアコンの掃除を終わらせたが、エアコンの上に点検工具を置き忘れたまま運転を開始したというような、本来業務の後の作業を忘れてしまった場合です。このように、本来業務の前後の作業においては、「し忘れ」というエラーが発生する傾向があります。

さて、人のし忘れにより事故にならないように安全装置が付いている場合があります。例えば、コンロの異常高温防止装置ですが、この装置を過信して温度があがったら自動的にスイッチが切れるだろうと考えて、そのままにしておいたために鍋から噴き出してコンロを汚してしまうという事があります。し忘れによってこのような事態にならないように注意が必要です。

 

4)能力不足・・・人間の特性「行動」
仕事に対して必要な技能がなかったためにおかしたミスです。
(事例)
ハンバーグステーキの生焼け問題調理方法の説明を受けた時、自分では問題なく調理できると思い、フライパンに油をしいて焼きはじめた結果、表面をほどよい色に焼きあげるのに時間がかかり、配膳時間も迫ってきて動揺し肉の赤みが残っているものを提供してしまった。

5)知識不足・・・人間の特性「認知」
仕事に対して必要な知識がなかったためにおかしたミスです。特に教育・訓練で重要な事は、何故そのようにしないといけないのかという理由を教えることです。

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知らなかった?

                                日常のコミュニケーションで事前に知る!

 
(事例)
a.改訂された作業手順書の内容を正確に理解していなかったために、担当者に誤った説明をして作業を混乱させてしまった。
b. 新人の調理師が翌日使用の冷凍アジの仕込み段階において、冷蔵庫による緩慢解凍をしなければいけないところを流水によって解凍を行った。 
(説明)
1番目のa.作業手順の改訂は改訂された理由と目標をしっかり理解していなかったという知識不足であり、2番目のb.は冷凍魚を解凍する時は、袋から出すと魚の旨みがなくなってしまうという知識不足のために発生したものです。「知らないこと、できないこと」はしない。知らないことは聞く、できないことは訓練する、ということを守ることです。この意味で仕事につく前の教育・訓練が、予防につながっていることの重要性が理解できます。

 

6)違反・・・人間の特性「行動」
違反とは決められたルールを守らなかったことにより発生するヒューマンエラーです。初心者の違反は知識不足であっても熱心にやった結果として違反する場合が多いですが、熟練者の違反は意図的で故意である場合が多くあります。熟練者の場合は初心者の場合と異なり、規則やマナーについては良く知っているのですが、意図的にこれに従わなかったために発生するものです。このような違反は故意ですので必ず理由があり、また人の性格が影響する場合があります。

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ルールが守れない?

                                 しつけが不十分なためにおこるエラー!

[初心者の違反]
a. 身についていない 
b.はずかしい
[ベテランの違反]
a. 善意や好意 ・・自分だけが遅れてしまっては迷惑をかけると思い違反する。 
b. いい格好・・・・自分より技量の低い人に対しておかす。
c. 安全ボケ 
d.面倒は手順の手抜き


(事例)
a. ネギの袋を開ける時に包丁を使用して開封したために、汁物の中に万能ネギが入っていたビニール袋の切れ端が混入した。
b. 缶詰工場の冷凍庫の庫内温度は毎日作業前後に点検し、温度記録表に記入するように決まっていたが、いつチェックしても問題ない状態が続いていたため、昨日の作業後チェックして問題がなかったので、今日は作業前に確認しなかったが温度記録表には昨日の作業後と同じ記録を残した。

(説明)
一番目のa.は、ハサミでカットするのは面倒だとして、ビニール袋を包丁でカットする手抜きです。二番目のb.は、安全な状態が続いているために、冷凍庫の温度についての認識が低くなり作業前に確認しなかったものです。これらのミスは勤務年数の長いベテランでもおかします。
違反に対しては決して責めるのではなく、守れなかった理由を聞きいっしょに考えて対策するという態度が必要です。

 

7)ミステイク・・・人間の特性「判断」
今までは行動そのものの間違いでしたが、ミステイクに分類される失敗は、動作以前の段階で間違っており、行動の結果、うっかりミス(錯誤)であったことが分かるケースです。
例えば「〇〇駅は△△線の電車」と思いこんで乗っていると、終点まで行っても〇〇駅はなくどんでん返しを受ける事です。また、目的の店は7階にあると思い込んでいて、エレベーターに乗って7回のボタンを押したら違う店であったという場合もこれにあたります。更に事例をあげると、電話番号の「3」と「6」をつい押し間違うのが「うっかり」で、電話番号を間違って覚えていて「6」を押すのがミステイクです。

 

3.ヒューマンエラーの対策と予防を5S改善で

ヒューマンエラー対策の第一段階は「問題を認識する」ことです。問題であると正しく認識できるようになるためには、問題が発生しているかどうかを感じる意思がないと問題は発見されずに通り過ぎていきます。いつもと少し違うのではないか?大きな問題になるのではないか?と感じ取る力が必要です。

 

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(1)ヒューマンエラーの対策
真の原因を追究すれば、答えはおのずから出てくる
  a. 「現場」「現物」で
  b. 「あるべき姿」「原理原則」に基づいて
  c.   再発防止につながる要因が出てくるまで調べる。
    d.5S改善をヒューマンエラーの防止の環境に使う。
 
 
(2)ヒューマンエラーの予防  
予防効果を高めるためには、問題が発生しにくい環境を整えることが大事です。問題が発生しにくい環境を作るためには、ヒューマンエラーの問題だけでなく、関連する周囲の問題も含め一体となって処理しなくてはなりません。中でも上記の1)無理な事、2)うっかり事故、3)し忘れ、4)能力不足、5)知識不足は5S活動により削減の可能性が期待できます。

 

 

(3)ヒューマンエラーの発生メカニズム
次の図はヒューマンエラーの当事者を中心にして、「ソフトウェア」「ハードウェア」「環境」「当事者以外の人間」「管理」に分類し、その関係を示したm-SHELモデル(エム-シェルモデル)と呼ばれるものです。 
 
 

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図の m はこれらの要素の周りを衛星のように回りながら、不具合が発生しないように各要素を適切に運用するよう管理されていることをイメージしています。
ヒューマンエラーは、この中心にあるL(当事者)の凹凸と、それを取り巻く各要素の凹凸がうまくかみ合わなかったところで発生します。これより、
ヒューマンエラーとは、人間(当事者)と人間を取り巻く広義の環境であるにより決定された行動の中で、ある期待された範囲を超えたものと言えます。つまり、ヒューマンエラーは、原因ではなく結果であるということになります。
 
[ m-SHELモデルによる分析事例 ]

事例:5分粥150gの患者に別の患者の5分粥50gを配膳した。
要 因:
L- management(管理)  粥の盛付けに関する手順が決まっていなかった
L- Software(ソフトウェア)  同一のトレーに量の異なる粥を置く習慣があった
L- Hardware(ハードウェア)  お椀の種類が一種類しかなく不足していた
L- Environment(環境)  照明あたりが不十分で確認しづらかった
Liveware(当事者) 食札の150gの1の数字を見落とした
L- Liveware(当事者以外の人) 配膳前チェックでフタを空けて確認しなかった

 

エラーした本人は、正しいと思って行動している。

このような人間の行動はどうやって決定されるのかについて、クルト・レヴィンの法則というのがあります。これは次の式のように、人間の行動は本人のパーソナリティと、本人を取り巻く環境の二つを変数とする関数で表わされると表わされるということです。

              B=f(P,E)

B:Behavior(行動)
P:Person(人)
E:Environment(環境)

表中の「食札の150gの1の数字を見落とした」という当事者のエラーだけに注目するのではなく、「管理」「ソフトウェア」「ハードウェア」「環境」「当事者以外の人」についても考慮する必要があります。すなわち、体調管理、仕事の打ち合わせなどを含め、各要素との隙間をなくしエラーを減らす努力が必要です。時にはこれらの要素がトレードオフの状態になる場合もあります。そのような時は各要素をうまく調整しバランスをとる必要があります。言い換えると、それぞれの要素がしっかりしていても、組織の管理が不十分であればエラーが発生する可能性があることを示しています。

 

1.自分の特性の理解
苦い経験をきっかけに、何らかの知恵を使ってヒューマンエラー の発生を防ぐ努力をしてきた経験がある人もいるでしょう。
怪我の功名というように、先ず、
a)失敗を強く反省し意識すること
b)いろいろ考えても発生した問題は消えないので
c)再発しない手を打つ
という考えは重要な考え方です。
ヒューマンエラーは個人が起こす問題です。だから、個人が自分の特性を知り、個人に合った対策を講じなければ、指導者が優秀でも再発します。個人が犯すミスの本質を語らず、教育や対策会議をいくらやっても効果は少ないでしょう。上記にあげたヒューマンエラーの事例を参考に予防に努めましょう。

 

2.努力しないとミスは止まらない
a)次のような間違いは注意しないと記憶に残らない。
  ・ソースと醤油を間違えてかけた。
  ・塩と砂糖を間違えて料理に入れた。
  ・間違って登録番号を記入した。
  ・間違ってエレベータを降りた。
b)  強く意識していない時にミスが起こる。
c)失敗しても大勢に大きな影響がないと考える時、チェックを無視する。
d)考え事や心配など注意すべき事が他にあって、注意がそちらに向いている時。
e)繰り返し発生するとAさんはそそっかしいなどと性格で評価される。
f)刺激に対して個人差があり、同じ刺激に対して同じような反応を一貫性を持って繰り返される。
 
この種の対象には、なおるまでの訓練が必要。本人の努力が必要になる。修正するメリットを本人が理解するほど効果が図れる。スポーツにおけるフォーム修正などの特訓がこれに該当する。

 

ヒューマンエラーは個人が犯した問題ですが、このような問題に対しては、問題=個人の特性と決めつけて、人を責めるべきではありません。人にはそれぞれ個性があり、ミスを犯す形態も個々に異なる。そこで、自分の特性を知り、自らミス防止の知恵を絞って自分に合った防止策をまとめることが重要です。

 

(参考図書)

  • ヒューマンエラーの科学 村田厚生
  • ヒューマンエラー 小松原 明哲
  • ヒューマンエラーの分析と防止 谷村 冨男
  • ヒューマンエラーゼロ対策 中村 茂弘

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5S活動にノンテクニカルスキルを活用しよう

                                                                                                                                                                                                   

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全員参加による自主的な5S活動によりノンテクニカルスキルを向上させ、企業の体質強化という5S活動の本質的な目的を達成することを提案します。
 
 
更新: 2020/11/24

 

  

 

1.ノンテクニカルスキルとは何か

間違いを犯してはいけない業界の例としてとりあげられるのが航空業界です。航空業界の安全管理は医療安全の歴史より古く、医療安全は航空業界の安全管理を元に発展してきました。
航空業界において、種々の航空事故の原因分析を行った結果、事故は機器や空港、天候などの問題よりも、人間の問題(ヒューマンファクターズ)が原因であるケースが多いことが分かりました。また、その対象となる人間の問題も、操縦のスキル(テクニカルスキル)よりも、むしろ状況確認、チームワークなどの認知的、社会的、個人的なスキルの原因が多くを占めるといわれています。
図はSHELモデルと言われるもので、航空業界で提唱されました。4つの要因と中心の当事者との相互関係に注目して原因を究明し対策を検討するモデルです。5S活動はこれらの4つの要因からなる職場環境を整えることです。図の中心のLは自分自身で、もう一つのLは自分以外の人を表しています。この「L(自分)」と「L(自分以外の人)」を点線で囲んだ部分における関係をうまく合致させて被害を小さくするための能力をノンテクニカルスキルと読んでいます。これは5Sの中の「しつけ」に関わる内容になります。
 

 

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医療チームの安全を支えるノンテクニカルスキル(大阪大学)より
 
ノンテクニカルスキルとは、自分たちが今まで培ってきた専門技術をうまく活かして皆でチームとして良い仕事をするための潤滑剤であるということができます。日本ではノンテクニカルスキルは、専門家や先輩のやり方から学ぶ「暗黙知」として習得するものだとされてきており、トレーニングの対象として取り上げられていませんでした。「ノンテクニカルスキル」という言葉は、現在多くの医療従事者などリスクの高い業界に知られており、各分野でノンテクニカルスキルを向上するための訓練が取り入れられています。

 

 

 

 

2. ノンテクニカルスキルに関係する事故

医療事故の根本原因は、テクニカルスキルよりもチームのコミュニケーション不足やリーダーシップの欠如などノンテクニカルスキルに関する問題が多いという説明がありました。怒鳴る、見下すなどの問題行動が多いとコミュニケーションや協力を得るのが難しくなり、医療事故が増える傾向があることが分かっています。
様々な事故におけるエラーの約75%は、ヒューマンエラー(ヒューマンファクターズ)が要因となって発生していると言われています。先日、NHKのニュースによりますと、国土交通省は、去年までの5年間に日本の沿岸で衝突や転覆などの事故を起こした船舶のうち77%にあたるおよそ8,300隻は、不十分な見張りや不適切な操縦など人為的ミスが原因であったと報告しています。この数値は2:6:2の法則や2:8の法則にあるように5S活動に批判的な人の割合も約2割いるということになるようです。

 

 

3. ノンテクニカルスキルの分類とリスク

緊急時における人間の特性と限界により、適切な行動や正しい判断が阻害されるリスクに対するマネジメントの必要性について以下の説明がありました。
人は専門的な知識や技術を持っていても、おかれた状況によっては適切に対処できないことがあります。それは人間の特性や限界であることを教えるものです。この一人の限界を乗り越え、チーム全体で望ましい結果を得るためのスキルがノンテクニカルスキルです。それにはどんなものがあるか、そのスキルによってどんな効果を得られるのかということです。

 

<サービス業の5S活動>

まだ記憶に新しいところでは、コンビニエンスストアのショーケースに入った姿や寿司チェーン店のネタをゴミ箱へポイ捨てした動画をSNSへ投稿するなどの問題行動が世の中を騒がせるという事件がありました。これに対して企業はしっかり社員教育するとの報道がありました。このような職場は食品業界だけでなく、多くの業界で多かれ少なかれ存在しており、人手を必要とするサービス業の中にも5S活動を活発に進めている企業も少なくありません。そこには、5S活動継続のポイントがあるようです。
5S活動はチームで活動しますので、チームのメンバー全員が協力しなくては良い成果を上げることができません。チームはメンバーの構成によって色々なチームがあります。先ず身近なチームとして家族があります。そして、学校やスポーツチームなどがあります。デパートのフロアごとの販売チームやレストランなどに限らず多くの職場でチームという単位で活動しています。

5S活動においても職場ごとに決めた5Sチームも例外ではありません。航空業界や医療チームに比べれば緊急事態におけるリスクは遥かに小さいために実施する訓練も軽いものかもしれません。しかし、考え方は共通ではないでしょうか。ノンテクニカルスキルの中で特に参考になるところを抽出してみました。

 

 

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1) 状況認識

ミッションの前・進行中・後において正しい状況を把握する。状況認識がうまくできていないと、それに続く判断や行動を誤ってしまいます。

 
① ブリーフィング(事前打ち合わせ)
ミッションの前に関係者全員でブリーフィングを行い、状況の認識を共有する。この中には処置の目的だけでなく、一連の手順に加え緊急事態対処法を含めます。ブリーフィングには想定し得る緊急事態への対処方法や関係する人々とのコミュニケーションなどが含まれるとされています。航空業界ではどんなに飛行機が遅れてもブリーフィングをしなくてはいけません。通常5~7分程度と言われるブリーフィングをフライト毎にすべて実施しています。その目的は次のようになっています。

a. 安全で確実な仕事を実施するための意思疎通を図る(目標、手順のポイント)
b .リーダー(機長)の意思を徹底する
c .緊急事態など何か起こった場合の役割分担を確実に確認し合う

ブリーフィングはチームメンバー全員で実施、「状況説明」と「事前打ち合わせ」の要素を含んでいます。そして、これらを頭の中でシュミレーションすることが重要です。

 

② 振り返り(デブリーフィング)
ミッション終了後に、メンバー全員で自分のやったこと考えたことなどのノンテクニカルスキルを重点的に振り返り、課題を明確にして次につなげるものであり、いわゆる反省会ではありません。テクニカルスキルを中心に「振り返り」が行われ、建設的、前向きに、うまくいったこと、うまくいかなかったことを、お互い責め合いなしの議論を通じてメンバー自らの気づきで次回のパフォーマンスを向上させるものです。
結果よりもプロセスに重点をあてノンテクニカルな観点からチームパフォーマンスを振り返る。自分は?チームは?どうすれば次はうまくいくのだろうと気がねなく言える雰囲気が必要です。

 

2) 意思決定

人はチームで困難なミッションに挑戦する際には、下記の「サンクコストの呪縛」や「自信過剰」「一点集中」などにより、前進したいという気持や成功するに違いないという考えが高ぶっていくといわれています。

 

① サンクコスト(Sunk cost埋没費用)の呪縛
回収できない時間や投資、労力をサンクコスト(埋没費用)と呼び、これを将来の意志決定に反映させるべきではないという鉄則です。しかし、サンクコストにとらわれて将来の選択を誤ってしまうケースは決して少なくありません。これだけ費用をかけたから、もう少し出費することによってこれまで払った費用が丸々損しないで済むと考えて赤字の運営が続けられることもあります。

 

② 自信過剰
自分がどれくらいの力を持っているかについて過大評価してしまう状況は、深刻な状況下で難しい意思決定が必要な場面でしばしば見られる。自分は大多数の人より優れていると考える心理、これは誰もが持っていると言われています。

 

③ 一点集中(とりつかれ)
人間はある一点に集中していると、他の予期しない出来事に気づかないという能力の限界を皆さんも経験されているのではないでしょうか。

 

3) コミュニケーションとチームワーク

適切な意思決定や正しい状況認識のためには、チームメンバーが上位の人に声かけすることが非常に重要であるが、私たちは、上司や先輩といった権威勾配に逆らって意見を言うことは難しいことを経験している。

 

4) リーダーシップとフォロワーシップ

リーダーシップは素質のあるトップリーダーだけに必要とされる能力ではなく、チームの全員がそれぞれの役割を認識してリーダーシップを発揮する能力のこととされています。また、チームのそれぞれのメンバーにはチームのリーダーや他のメンバーを支援する能力、すなわちフォロワーシップが必要です。チームで業務を遂行する際は、この両方の能力が必要とされています。

5S活動においてもチームメンバーは役割に応じたリーダーシップを発揮すべきであり、リーダーはできるだけチームメンバーに話させるようにすることが大事です。それにより、声を出す、意見を言う習慣ができ、何かいつもと違う、変だなと思ったら声を出し言ってもらえるようなチームを作りたいものです。ノンテクニカルスキルはチームで良い仕事をするための潤滑剤ですので、全員が個人のノンテクニカルスキルを磨きたいものです。ノンテクニカルスキルとは5Sの「しつけ」に近いものがあります。大切なことは、これが人間の特性であり限界であることを認識したうえで不利な状況に陥らないように、又陥ったときに局面を変えることができるようなノンテクニカルスキルを身につける努力をしましょう。

 常に危険がつきまとう建設現場や化学工場などでもノンテクニカルスキルに関する地道な取り組みがなされているようです。一般的にサービス業はこれらの職場より危険性は低いといえますが、人的要素の占める割合が大きなサービス業においてノンテクニカルスキルの考え方を活用できないか検討を進めています。

  

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4.ノンテクニカルスキルと5S活動

誰もが5Sの重要性は理解しているが継続できずにいるのはなぜでしょうか、どうすれば持続できるのでしょうか。それは、自分で気付き、自分でやる、そして、ルールが守れるように、守りやすいように、「やり方」を変える。そうすることによって自発性が生まれます。・・・そんなこと、言われなくても分かっていますよ。

 

「かたづけろ!」と怒られてやる整頓はその時だけで、ほとぼりが冷めたら元にもどります。自らの意思で行動する5S活動こそが継続できます。掃除をしろ、整理整頓を怠るなといわれると誰もが反発します。掃除でも、自分から進んで自発的にやった掃除とやらされてやる掃除では、見た目はきれいでも仕上がりが違います。・・・それも、経験して分かっていますよ。

 

何事も「目標」が共有できたら、活動の方向が明確になりモラルが向上し、チームワークも生まれます。しかし、それができないから困っていると言うわけです。これらの問題は、複数の人がチームによって活動する場合に起こる共通の問題と言うことができます。

 

  1. 5S活動をやる時間がないという人の本音 本来の業務ではないのでやりたくない、余計なことだからやりたくない、できれば避けたいと思う、そんなことやる余裕がない、自分のプラスにならない、このような反応は、仕事量が膨大で「やらされ感」を持ったまま仕事をしている人たちがいます。このようなケースは、ルールの異議を考えず、今までやっていたからとりあえずやっているという場合が殆どです。
  2. 私だけなんでやらないといけないのと他人の非協力的な態度が不満 仲間とのコミュニケーションが不足しており、相談する相手がいない場合、何で私だけがやらないといけないのという気持ちになり、創造性に欠けるチームができる。
  3. 5S活動が自分に対する業務改善の効果を理解していない 5S活動によって自分の仕事がどれだけ楽になるか理解していない。淡々と目先の業務をこなしており、変化を好まない。

 

これらの不満から浮かび上がってくるのは、共通の認識、目的の共有、楽しい、表彰される、優位になる、仕事が楽になる対策をすることです。どこの企業にも2割ほどの反対者はいるという2:6:2の法則があります。まずは、反対する2割の人は相手にせず、積極的な2割と中間派の6割の合計8割の人を対象に成果を示し取り組みましょう。反対派に負けない強いリーダーシップが必用です。では具体的にどうすれば良いのでしょうか。

  

 

5.5S活動に必要なノンテクニカルスキル

5S活動を継続するためには次の事柄が重要です。

 

1) ボトムアップによる意見の吸収

現場の従事者のやる気が重要です。指導者は雰囲気作りに専念し決して強制しない。

 

2) 5S活動は業務の中で行う

特に人手不足の影響の大きい外食業界は、パート社員が多く就業後に時間を設けるこ とは困難です。パート社員比率の少ない組織においては正社員が中心になって5S活動を進めることが可能ですが、パート社員が中心の職場では時間の使い方は異なります。パート社員が中心の職場においては、業務の中で5S活動を進めることが必要です。つまり、組織の現場力に合わせた5S活動を行うということです。

 

3) 報酬、褒める、喜びを与える

これは以前からモラールが低いからなどと言われていますが、多くは精神論として片付けているのです。ですから、最初のうちは一生懸命やっていた5S活動もいつの間にか元の状態に戻ってしまうという繰り返しです。

また、人は目的を共有できればチームワークが生まれると言われています。では、どうしたら目的を共有できるのでしょうか。上司が一生懸命目的や仕事の重要性について話をしても、自分には関係ないやとよそを見ている人がいます。このような人たちは5S活動についても同様で、やりたくないのです。このようにいくら精神論でやっても効果につながらない場合が少なくあります。

 

そこで、このような状況を解決するために、5S活動で必要なノンテクニカルスキルを、「状況認識」「意思決定」「コミュニケーション・チームワーク」「リーダーシップ」に区分してみましょう。

 

 1.5S活動をやる時間がない → 状況認識

仕事が忙しいという場合はどのような対策が必要でしょうか、これには5S活動の重要性を理解できていないために、正しく状況を認識できていな場合も含まれます。

   ・5S活動と企業の方針とのつながりを理解する

   ・業務分担が目的達成のために適切であり、健全であることを理解する

   ・思い込みによって事実と異なることを認めてしまう 

 

   

 2.5S活動に全員の協力が得られない → コミュニケーション・チームワーク、

リーダーシップ

自分だけどうしてやらなければならないのか、全員が思い思いの仕事をしておりお互いが非協力的である。

   ・改善シートの掲示により、チームワークの成果を分かちあう

   ・簡単な目標の達成で成功体験を体得して維持継続する

   ・朝・昼礼などでの話し合い情報の共有化をはかる

 

 

 3.業務改善をやろうという気持ちがうすい → 意思決定

5S活動によって仕事が改善できることを知る。

   ・改善活動結果に応じた報奨金制度をつくる

   ・改善効果に応じて表彰することにより、改善の必要性の理解を高める

   ・改善して良くしようという自発的な行動につなげる

 

 

 

6.ノンテクニカルスキルを高める訓練の事例

自らがどのように5S活動に取り組んでいるかをチェックする5S自己チェック表を作成し、自分の行動をチェックしましょう。自己啓発のために5S自己チェック表を活用した改善を進めることも一つの手段です。片付けだけの5Sが一通りできるようになったのであれば、これからは、レベルアップをして改善力を成長させていきましょう。レベルアップといっても、難しいことをするのでありません。簡単にできることを、笑われるようなことを確実に実施することから始めます。


成果を出す5S活動にするためには、片付けスタイルの5Sから脱却しなければなりません。片付けを繰り返していても不要なモノを生み出す発生源を無くさなければ、いつまでも片付けをしなければなりません。不要なモノを生み出すプロセスを改善して、片付けをしなくてもいつも綺麗で仕事のしやすい環境になっている職場を作ります。

5S活動に対する自分の行動を自らチェックすることにより、ノンテクニカルスキルの向上に役立てようというのが自己チェック表です。5S自己チェック表の狙いは、

  1. 5S活動の結果を出すことであり、仕事のしやすい環境を実現する5S改善につなげるためです。
  2. 自己啓発に役立てることです。その一点目は、自発的な行動を呼び起こす。自己チェックにより、守られていなかった項目の重要性を認識することによりルールを守ろうと言う自発的な行動が期待できます。二点目はミスを少なくする。人は思い込みや勘違いをする生き物ですが、そうならないように、自ら、自身に問うことによってミスを少なくすることができます。自己チェックはヒューマンエラー予防の一つとして効果があることが確認されています。

 

次に5S自己チェック表をどのような場で使うかについて、三つの使い方の事例を説明します。

  1. 朝昼礼やミーティングなどでの読み合わせです。各項目の定義と説明を朝昼礼や職場ミーティングで読み合わせをした後、自己チェックしましょう。
  2. 自己チェック結果の改善事例を朝昼礼やミーティングで発表することです。自己チェックの結果に基づき改善したことを朝昼礼やミーティングで発表し、メンバー全員の意見を聞き参考にしましょう。・・・コミュニケーション・チームワークのスキルアップ
  3. 自己チェックの結果、複数の人が、改善が必要であるとした項目です。このような項目については、メンバー全員が協力して改善する必要があります。

 

 

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